Issue 2023.12

Issue 2023.12

デザイン塾で制作する、テーマ自由のオリジナル冊子。受講生4名の学びの成果をご紹介。

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2020.10.30

Report: モニターツアー 視点採集「玄海町」編 3/8

【2】筒井 健太さん(玄海町職員)

〈自己紹介〉

お隣り町の唐津市生まれ。
参加者内で最年少・最高身長の20歳。町の職員としてお仕事をしています。

*午前中のみの参加

〈筒井さんの視点〉

2つの視点を意識して撮りました。
「非日常」…普段では味わえないことに触れながら、それをどう写真で表現するかを考えながら撮影をしました。
「あと一歩」…代表的な場所だけではなく、もう少し奥のほうに足を踏み入れたら、意外と良い資源があると思うから。

視点採集「玄海町」編

1枚目>『旅行気分』

水産業の会社で、運搬する車に載せられた魚の写真です。
こちらは「非日常」の視点で撮りました。
普段よく見るのは、市場などに並んでいるカットされた魚ばかりで、海から出て運搬される直前の姿は初めて見ました。
日常では味わえない光景だなと思って、「旅行気分」というイメージで撮った1枚です。

視点採集「玄海町」編

2枚目>『早朝の益荒男(ますらお)』

益荒男というのは「立派な男」という意味です。
水産業に従事し、会社を守っている若い男性の姿が、素晴らしく立派だなと思い、撮影をしました。

視点採集「玄海町」編

3枚目>『ミカンの先人』

露地ミカンやハウスミカンを玄海町で初めて栽培された方だとお聞きしました。
今や玄海町の特産品でもあるミカン。その礎を築いてきたといっても過言ではないという思いを込めて撮影しました。

視点採集「玄海町」編

4枚目>『打ち克つミカン』

前日に降った雨で、良い感じに水滴をまとったミカンです。
台風の強い雨風にも耐え抜いて、いまだ成長中であり、新型コロナウイルスの脅威などもありますが、それらにも打ち克っているんだなという思いから「打ち克つミカン」としました。

視点採集「玄海町」編

5枚目>『冒険のその先』

玄海海上温泉「パレア」の駐車場のちょっと先にある、小型船舶の係留施設です。
少し歩けば、こんな風に船が並んでいて、「港町の良さ」「漁師町の良さ」が感じられる風景が広がっていることを知ってほしいなと思って撮りました。
(本当は三島公園の写真を出すつもりだったのですが間違えてしまいました。)

視点採集「玄海町」編

6枚目>『漁師町ならでは』

こちらも玄海海上温泉「パレア」の近くにある、三島神社で撮りました。
なぜ「漁師町ならでは」というタイトルにしたかというと、手前に写っているように、船の錨が奉納されているから。
そんなところが他の神社とは違っていて、もしかしたら別の町の人から見たら、これも「非日常」の景色ではないかと思いました。

〈筒井さんの感想〉

普段、写真を撮ることだけに時間をかけたり、何かを考えて撮ったりすることが無い中、今回の視点採集では、いつもは気付けなかったことなど、新しい発見ができたので良い企画だったと思いました。

〈石川の講評〉
まず、全て斜めに切り取られたカメラアングルがとても印象的だなと思いました。
視点が2つありましたが、「非日常」というテーマは分かりやすい故にかえって撮るのが難しいので、「あと一歩」というテーマに絞った方が、もっと面白いものになったかもしれません。
というのも、みなさんは「あと一歩」入り込めるポジションにいて、普通の観光客よりも、もっと踏み込んだ写真を撮れる人たちだから。
そうした写真で構成されていたら、見る人に間違いなく興味を持ってもらえるものになるだろうと思います。
1・2枚目のように「今回特別に見ることができた」という場面ばかりを切り取ることができれば、テーマとも一貫性がとれるし良いのではないかと。
5枚目は、本当は三島公園で撮った写真の予定だったんですね。
僕も三島公園の遊歩道を歩いて展望地点まで行きましたが、あの高台から見た風景はすごく印象に残っています。
そこまでの道中は蜘蛛の巣が張っていたりして、途中で引き返そうかと何度も思ったくらいの、ちょっとした冒険感もあったので、そこで撮られた写真であれば、本当に「あと一歩」という視点にも合っているし、『冒険のその先』というタイトルともピッタリで、良かったと思います。