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2021.3.31

美のり窯 |松﨑康則・久美さん 4/4

──お仕事のやりがいを教えてください。

「ものをつくっている時間は、やっぱり有意義ですね。
次はこういうものをしようと、自分で全部考えて、どんどん形になっていく様を見て暮らしていると、『生きている』という実感が得られます。

作品の雰囲気から「余裕」が感じられるようなものを、自由につくりたいんです。
分業によって大量生産される波佐見焼を、私たちが真似したところで、全然勝負にならない。
一つ一つ手作りして、ものすごく工程も時間もかかっていますから。
だから、独自性を出せるようにと、いろいろ悩みながら作陶しているんです。
そこが面白さでもあり、やりがいかな。
悩みながらも、一生懸命する。余裕をもってね(笑)。
そうすると、案外その先には誰かいるもんですよ。お客さんになってくれる人が。」

──今後のビジョンや目標は何ですか?

「焼き物の技術を上げるためだけにどんどん時間を使って、頭でっかちにならないようにしないとね。
感覚という大事なものを磨かないと、面白いものはできないんですよ。
だから、さまざまなものを取り入れたいなと思って、好奇心旺盛に、なるべく色んなところへ行ったり見たりしています。

民泊をする中でお客さんと会話を交わすことも、焼き物の勉強になっています。
ものづくりにおいて、お客さんの生の声は役に立ちますよ。直接いろんなことを聞いて、反映できますから。
例えば、『松﨑さんの魚の絵は、器からバッと飛び出るような、ああいうのが良いんですよ。決して上手く収まるように描こうとしていなくて。そこが私は好きです』なんて言われるんですよ。まるでデザインもへったくれも無いみたいに(笑)。
でも、そういうのって、お客さんじゃないと言ってくれないからね。
みんな、本当はそういうの聞きたいんじゃないですか?
実際に自分の作品をどんな風に見てくれているのか、思っているのか、捉えているのかって。
誰でもそうだよね。私のこと、どう?可愛いと思う?とかさ(笑)。

売り方にしても、うちはもうアナログでいいなと思っていて。
ギャラリーで実際に見てもらって、あくまでも対面で、話をしながらやりとりをする。
いろいろアドバイスをもらうこともあるし、ヒントにもなります。

あとは、いつか工房と一緒にカフェをやってみたいと思いますね。」

──私の波佐見のイチオシ!

「飲食店だったら『monné legui mooks(モンネ・ルギ・ムック)』や『Arbre-monde(アルブルモンド)』が好きですね。
お客さんにも紹介しています。あそこに行ってみらんですかって。

それから、波佐見は温泉の質も良いですからね。ぬるぬる感がぜんぜん違います。
『はさみ温泉 湯治楼』にお連れしたお客さんは、みんな満足していましたよ。」

──美のり窯の民泊ってどんな感じ?

福岡県柳川市でゲストハウス「ほりわり」の運営もしている島田侑季さんに、実際に民泊を体験していただきました。
その感想は「美のり窯 民泊体験記」をご覧ください。

波佐見ポートレイト|美のり窯

*2021年1月インタビュー
*撮影の時のみマスクを取っていただきました。

美のり窯

長崎県東彼杵郡波佐見町折敷瀬郷696
TEL/0956-85-3818
定休日/不定
民泊のお問い合わせ/波佐見町観光協会
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