日々刻々と変わりゆく池島の姿を毎年撮っていこう。
そんな思いで訪れる池島レトログラフィも、今年で3回目となりました。
「アジサイが物語る人々の暮らし・炭鉱の島の“現在”を歩く」と題し、
アジサイの咲く季節に行くことにしています。
草木が生い茂る廃墟の中に、ふわっと浮かび上がるアジサイの花。
そこに、かつて人々がこの場所に住んでいたのだという気配が感じられるからです。
アジサイを目的としているため、必然的に時期は梅雨真っ只中となります。
しとしと雨に濡れる池島も素敵だろうと思うのですが、
参加者の皆さんの日頃の行いが良いのでしょう、
この日はちょうど梅雨の中休み。
青空も広がる、恵まれたお天気となりました。
2015年6月21日(日)。
集合は7:15。いつも通り、朝が早いです。
しかも池島の場合はフェリーの時間があるので、出発を遅らせることはできません。
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皆さまのご協力のおかげで、無事にフェリーに間に合いました。
池島へ向けて、約30分の船旅です。
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皆さん、色んなカメラでご参加です。カメラ話にも花が咲きますね。
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![クリエイティブツアー「池島レトログラフィ」](https://f-d.heteml.net/f_d2019/wp-content/uploads/2019/10/IMG_0122-2.jpg)
スタッフ林も、コーワシックスという中判カメラで参加いたしました。^^
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いよいよ、池島が間近に見えてきました。
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ついに池島に上陸です。
ここからは、ディレクター石川博己の案内で巡るも良し、
撮影スポットを記載した、特製のロケーションMAPを片手に散策するも良し、
リピーターの方もいらっしゃいますので、自由に池島を堪能していただきます。
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![クリエイティブツアー「池島レトログラフィ」](https://f-d.heteml.net/f_d2019/wp-content/uploads/2019/10/IMG_0155-2.jpg)
…と、何やら陽気な音楽が聞こえてきましたよ。
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移動販売の車から流れてくる音楽でした。
島の日常が見られるのも良いですね。
昨年は霧に煙る池島で、廃墟感と物悲しさが一層増していたのですが、
青空の下で見る池島の姿は、ここが全くの廃墟ではなく、確かに今も人の住む島なんだという
明るさも感じられました。
![クリエイティブツアー「池島レトログラフィ」](https://f-d.heteml.net/f_d2019/wp-content/uploads/2019/10/IMG_0159-2.jpg)
石川の案内に同行される方達は、
郷地区を抜けて池島の中心へと向かいます。
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ゆるい坂を登っていくと、発電所と海水淡水化施設の姿が。
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すごい迫力です。
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郷地区は炭鉱ができる前からあった集落で、
炭鉱が栄えていた頃は、多くの居酒屋や飲食店、スナック、パチンコ屋、カラオケ屋などが軒を連ねていたといいます。
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第一立坑の櫓も見えます。
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続いて、炭鉱アパートが建ち並ぶエリアへ。
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あの、大輪の紫陽花が今年も出迎えてくれました。
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昨年は、まだ咲き始めの瑞々しいアジサイでしたが、今回は見事に満開です。
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お天気が違うだけで、同じ風景でも全く雰囲気が異なって見えました。
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特に池島では、重機はどんどん錆び、建物は朽ち、
撤去され、取り壊されていくので、
出会える景色は本当に一期一会なのだなぁと強く感じます。
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だからこそ、毎年ここに訪れ、写真に残しておこうと思うのです。
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時計を見れば、もうお昼。お腹もペコペコです。
池島唯一の定食屋さん「かあちゃんの店」で昼食をいただきます。
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名物のトルコライス!
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1年振りの再会に、思わず笑みがこぼれている方も…。
さぁ、いただきまーす!
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…あ!
私としたことが、なんたる失態。
ディレクター石川の姿を撮るのをすっかり忘れておりました。
フォトレクチャーをしている場面とか、颯爽と案内をしているところとか、
撮るべきシーンは沢山あったはずなのに、
まさか、この1枚だけしか撮っていなかったとは…。
(本当に悪気は無いのです。も、申し訳ございませーん!><)
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帽子を顔にのせて休憩している石川でした。
…気を取り直して、池島の象徴ともいうべき8階建てアパートへ。
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圧倒的な存在感です。
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どこもかしこも緑で覆い尽くされています。
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そんな中、優しい色合いのアジサイの花にホッとします。
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息苦しさを覚える程の植物たちの圧倒的な生命力。
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今度は、池島を一望できる場所へ。
池島で一番高いところ、四方山に登ります。
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素晴らしい眺めです。
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山頂での眺望を楽しんだ後は、炭鉱アパート周辺をのんびり散策しながら撮影します。
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いたるところで咲き誇るアジサイ、本当に綺麗でした。
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今年はアパートに絡まるツタがオレンジ色の花をつけているところも見ることができて嬉しかったです。
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廃墟となったアパート群も、明るい陽射しのもとで見ると
去年とはまた異なる印象を受けました。
とても神秘的だった、真っ白な霧に包まれた池島。
そして、明るい光に照らされた池島とは、なんだか少し距離が近くなれた気がしました。
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そろそろ、池島港へと向かわなければなりません。
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海沿いの道をぐるりと歩き、港周辺の炭鉱施設を見ながら戻りましょう。
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こうした重機なども、いつまで見られるのでしょうか。
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全員無事に港に集合。
自由行動を選択された方々も、コミュニティバスやレンタル電動自転車を利用したりして、
自分たちのペースで思い思いに池島を楽しまれたようです。
また、島民の方もすごく親切にしてくださったと話してくれました。
池島を発つ前に記念撮影を。
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ちょうどフェリーが来たので、もう一枚。
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名残惜しみつつ、池島の旅は終わりました。
![クリエイティブツアー「池島レトログラフィ」](https://f-d.heteml.net/f_d2019/wp-content/uploads/2019/10/IMG_0377-2.jpg)
九州最後の炭鉱である、池島炭鉱で賑わいを見せた池島。
2001年に閉山し、8000人近くまで増えた人口も今や200人を切りました。
大きな小中学校に通うのは、小学生たった1人ということです。
草木に浸食され廃墟化しつつあるアパート群を眺めていると、
たった十数年でこんなに変わってしまうのかと、日々の儚さや無常というものを感じずにはいられません。
池島を毎年撮り、この島の移り変わる様をはっきりと目の当たりにすることで、
何気なく過ごしている日々はこのまま変わらず続いていくものではなく
当たり前にある目の前の風景も儚いものだということが胸に迫ってきます。
そして、だからこそ気付く“ありふれた日常”の大切さ。
来年もまた、この季節に「池島レトログラフィvol.4」を開催する予定です。
移ろいゆく池島を再び撮りに行きませんか?
![クリエイティブツアー「池島レトログラフィ」](https://f-d.heteml.net/f_d2019/wp-content/uploads/2019/10/IMG_0358-1.jpg)
![クリエイティブツアー「池島レトログラフィ」](https://f-d.heteml.net/f_d2019/wp-content/uploads/2019/10/IMG_0229-1-1.jpg)
参加者の皆さん、本当にお疲れ様でした。
いつものクリエイティブツアーでは、いくつもの見学地をバスで巡っていきますが、
池島の場合は基本、徒歩ですし、また暑かったので、
なかなかハードな一日だったかと思います。
「自分の体力の無さを痛感しました」と仰る方も。
でも、皆さんから「楽しかった」という声をお聞きして、私共も嬉しく思いました。
池島に対しては「不思議な感じがした」という感想が多く聞かれました。
また「帰ってから写真を見返すのが楽しみ」「現像するのが楽しみ」とも仰られていましたね。
きっと、良い写真がたくさん撮れたのだろうなぁと思います。
ご参加ありがとうございました!
そして、福岡〜瀬戸港間を安全運転してくださった福岡伊都バスの脇坂さん、ありがとうございました。
脇坂さんのおかげで、無事にお土産も買えました。
(なぜか、カボチャを購入している方が複数いらっしゃったのが謎でしたけど…。)
次回のクリエイティブツアーは、8月30日(日)開催の肥薩レトログラフィvol.2です。
こちらもフォトジェニックな場所が満載ですよ。
どうぞお楽しみに。