〜かげろう揺らめく真夏の池島へ・炭鉱の島の「現在」を歩く〜
毎年恒例となりました、池島レトログラフィ。
目指すは九州最後の炭鉱の島・池島。
周囲4kmの小さな離島に残された、数多くの炭鉱設備や高層アパート…。
それはそれは、圧巻の眺めです。
夏草に見るは、かつて炭鉱で栄えた夢の跡か。
かげろう揺らめく、真夏の池島へ―。
例年、6月のアジサイの時期に開催していましたが、
今回はちょっと趣向を変えて、夏のまっただ中の8月に向かいます。
眩しく照りつける強い陽射し。むせ返るほどの草いきれ。
縦横無尽にはびこる、濃さを増した緑の生命力。
そんな、エネルギーに満ちた自然の輝きと対比するかのように佇む、
朽ちていく炭鉱の遺構。廃墟と化した団地群。
時の経過というものを、まざまざと感じさせる光景が広がります。
これまでとは、また異なる池島の顔が、そこにはあるはずです。
長崎の海に浮かぶ、「廃墟」と「人びとの日常の暮らし」とが共存する島。
池島のもうひとつの魅力は、完全に廃墟と化してしまった軍艦島などとは違い、
現在もなお、人びとが暮らし、日々の営みが続いている島だというところです。
池島炭鉱。
長崎県長崎市、西彼杵半島に位置する池島は、2001年の閉山まで採掘が行われた九州最後の炭鉱の島。
1959年に出炭、最盛期の1985年には150万トンを越える石炭が採掘され、
島内には住民登録だけでも8,000人、実際には20,000人以上もの人々が暮らしていたといいます。
炭鉱アパートと呼ばれる高層住宅がずらりと建ち並び、ショッピングセンターや映画館、
ボウリング場など最先端の娯楽施設も設備され、生活のすべてが島内で完結していました。
島民のほぼ全員が炭鉱従事者であり、“ご安全に”が朝の挨拶。
池島の石炭は質が良く、採炭は好調で、島内は活気に満ち溢れていました。
しかし、石炭から原油へのエネルギー源の転換により、石炭産業は衰退。
閉山時には人口が2,500人にまで減少し、現在、池島で生活している住民はおよそ140人。
かつて賑わいを見せた町並みは寂れ、少しずつ、廃墟化が進んでいます。
炭鉱アパートを飲み込むかのように絡みつくツタ。
錆びていく重機。まどろむ野良猫たち。
島の過去を浸食していく自然と、今も島に暮らす人びと。
池島の純粋な「現在」に向き合ったとき、
あなたは何を感じ、そして、何に向けてシャッターを切るのでしょう。
カメラを持って、真夏の池島の姿を一緒に見にいきませんか。
池島フォトギャラリーへのお誘い。
クリエイティブツアーに参加される方は、カメラ好きの人がとても多いです。
特に池島は、フォトジェニックな場所が満載。
他の人たちがどのような瞬間を切り取るのか、ちょっと気になりませんか?
そこで、2016年から「池島フォトギャラリー」と題し、
参加者の皆さんがツアー中に撮られた写真を、WEB上でお披露目しています。
写真はすべて、講師・石川博己のコメント付きで掲載。
今年もぜひ、お気に入りの1枚を投稿していただけたらと思っています。
*写真は2013年6月に撮影された池島の風景です。現在では、炭鉱施設など一部取り壊されているものもあります。
タイムテーブル
*下記行程・時間配分は変更になる場合があります。
7:30 | 福岡・天神を出発 7:15 天神・日本銀行福岡支店前に集合。 バスに乗って池島へ出発します。 |
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10:15 | 瀬戸港~池島へフェリーで向かいます。 10:45 池島港着。 (フェリー代は各自負担・往復800円) |
11:00 ~ 12:30 | 池島を自由散策 池島に残る炭鉱設備や炭鉱アパートなど、撮影スポットを記載したロケーションMAPを配付します。 こちらを見ながら池島を自由に散策しましょう。 島内ではコミュニティバスが運行し、手を挙げれば目的地まで連れて行ってくれるから、 移動に困ることもありません。 池島の自然、風景、日常は、いくら時間があっても撮り足りないほど。 MAP片手にフォトジェニックな池島を探検してください。 |
12:30 ~ 13:30 | 池島唯一の定食屋さん「かあちゃんの店」にて昼食。 写真はボリュームたっぷりのトルコライス。 *事前に予約をとりますので、ちゃんぽんかトルコライスのどちらかをお選びいただきます。 (昼食代は各自負担) *参加人数によっては、2グループに分けて昼食を取ります。 |
13:30 ~ 16:30 | 池島自由散策 引き続き、池島の散策を楽しみましょう。 池島で一番高い場所・四方山に登れば、島を360度見渡すことができます。 |
17:00 | 17:30 瀬戸港着。 |
17:40 | 瀬戸港を出発し福岡へ |
20:10 | 福岡・天神にて解散 |