Issue 2023.12

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デザイン塾で制作する、テーマ自由のオリジナル冊子。受講生4名の学びの成果をご紹介。

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editF_d

2017.5.29

ALBUS×F_d写真教室「フィルムカメラ講座」第4回目

いよいよ写真教室もあと2回となりました。
第4回目の授業は「撮影を振り返ろう!」でした。
撮影会のベタ(*)を見ながら、その時の露出決定がどうだったのかを
ベタと撮影記録手帳を見ながら検証していきます。

ALBUS×F_d写真教室

*ベタ/フィルムを一覧焼きしたもの。コンタクトプリントとも言います。

今回のベタはみんなけっこうきれいなもので、ほとんど失敗がありませんでした。
この失敗というのは、2段以上飛んだり暗かったりという状態です。
ほぼほぼ適正に撮られたネガでした。
撮影会の天候が晴天の野外ばかりで、露出差があまりなかったことも大きかったと思います。
それでもみなさん自分なりに露出勘を養うための課題を設定していて、
ベタを見て、「あ〜やっぱり〜」と、その時の露出決定が間違っていたことを思い出すあたり、
一枚の写真を撮るのにどれだけ神経を張り巡らせて撮ったのかがわかります。
この、撮影時の状況と絞りとシャッタースピードを「覚えている」というのが、とても大切なことなのです。

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みなさんのベタをプロジェクターで投影して、ひとつひとつの写真について
絞りとシャッタースピードの組み合わせを言ってもらいます。
その場に自分もいたので、「あー、あそこの光はその設定でいいんだ」と、勉強になります。
「光がわかるようになった」とドヤ顔の人もいたとか笑。
我ながら、この授業はすごくいいんじゃないかと思います。
もっとブラッシュアップして完璧にしていくので、みなさんもぜひおいでくださいまし!

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フィルムの再現性やプリントのラチチュード、プリントの色域についての説明しています。

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本当の露光具合はベタを見ないとわかりません。インデックスはかなり調整されているのです。

何しろ人のカメラを見るのが楽しくて楽しくて。。
今回の受講生がLeotax(レオタックス)という、今はない国産メーカーのレンジファインダー機を持っていて、
その写りがまた良くて!!!
なんと、、、ぼく、買ってしまいました。。
手元に来たら、またきちんと撮影してレビューしたいと思います。
ちなみにこのカメラはLeicaのコピーで、当時、世界中のカメラメーカーがLeicaのコピーを作っていました。
元の設計がいいので当然コピーの性能も良く、まだまだ現在でもしっかり稼働するカメラです。
当然、完全機械式なので修理が利きます。
デザインも良くて写りも良くて修理も利くし、それでいて状態のいいのでも1〜3万円で買えるので、
そんじょそこらのコンデジ買うより、ずっといいですよ。(ちょっと目的が違うかもだけど…)

さてさて、そんな第4回目の授業も終え、いよいよ次回は最終回。
最後はALBUSのラボでプリント体験です。みんなプリントを一枚、自分の手で行います。
カメラ屋さんだからこそできる、この授業。面白いですね。僕もやらせてもらいます。

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撮影会の時に撮った写真から、いくつかピックアップしてご紹介します。
写真は僕の手焼きプリントです。
*ここではカラーで掲載いたします。ベタが若干Yが強かったのでプリントは抑えました。

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これがLeotaxで撮られた写真。雰囲気ある!
オールドレンズの描写も味わい深くて、これは現代のレンズでは真似できないですね。
コーティングされていないので光が少し暴れていますが、逆にいい味を出しています。

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真くんは撮影会の時にカメラが壊れて、シャッタースピードが1/80しか使えない状態に。
晴天時、ISO100ではF8・1/250が適正なのに、シャッタースピードを変更できないため、
絞りをF11〜16でしのいだとのこと。
それでもかなりオーバーなネガになってしまいました。
彼のこの写真は2段以上ぶっ飛びでしたが、フィルムのラチチュードは広いので、プリントでこのくらい起こせます。
フィルムの有効露光域を知ることも、この写真教室では大切にしています。
その有効露光域とプリントの再現性(プリント光域)を知ることで
露出決定(どの光を再現したいのか)をどこに置くのかが変わってきます。(小難しく言いました)
写真は適正であろう露出よりも、少し濃くプリントしました。(石川の好みです)

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みなさん、何じゃこれは?と思われたかもしれませんね。これは滴り落ちるしずくです。
どのくらいのシャッタースピードで止まるのかを課題として撮影されたものです。
1/500で止まりました。その写真を、プリント時にさらに1段くらいアンダーにプリントしました。
僕の好きな写真を僕が手焼きプリントしたので、完全に僕好みの色になっています。笑
彼女のカメラはPENTAX SP。レンズは標準のタクマーなのですが、このタクマーの描写いいですね。
立体感があり、甘すぎない柔らかい描写をするレンズです。

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BESSA R2CにレンズはCarl Zeiss Biogon 4.5/21。超広角レンズです。
太陽に向かって撮った一枚が案の定フレアを拾っているのですが、そのフレアがかっこいいですね。
りえちゃんは逆光や、わざとフレアを入れたがるので、
実際どのくらいが(飛ぶ)限界なのかを今回は課題として取り組んだそう。
また、どのくらいフレアが入るのかも知りたかったそうです。
露出決定は問題なく、よく露出補正して撮っていました。
このビオゴン、クラシックレンズでありながらすばらしい描写です。
このように自分の機材の性能を知るというのも大事なことなので、こういう撮影も一度はやらないとですね。
後で見る楽しさがありますね。

まだまだ紹介したいのですが、ちょっと指が疲れてきました。
僕の写真も見てほしいところですが、それはまたの機会に。

ではでは、また。
写真はALBUSのつぐみちゃんでした。

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