エッセイページ・デザインパターンF案・G案
〜文字組だけで魅せる誌面〜
F案とG案は、いずれもイメージに頼らず「文字組そのもの」で誌面を成立させるレイアウトです。基本の5段組みを意図的に外すことで、文章を読む体験をより強くデザインしています。
F案は、あえて5段組みを無視し、マージンだけをベースにした構成です。本文は14Q、行送り200%(28H)と大きめに設定し、段落を1行40文字で設計するなど、文庫本風の「しっかり読ませる」文字組を意識しました。マージンを共通にすることで、他ページとの統一感も保たれます。さらに本文の行間に罫線を入れるなど、装飾効果を控えめに加えることで、シンプルながらもデザイン性の高い仕上がりとなっています。イメージを使わなくても、文字組だけで誌面が美しく成り立つことを示す例です。
G案は、F案をさらに展開したパターンです。同じく1段40文字を基本としながら、本文サイズを13Qに落とし、行送りは28H、さらに字間を2Hアケて、ゆったりとしたリズムをつくっています。右ページと左ページで段落の位置をずらすことで、静かな中にも動きを感じさせる構成になっています。可読性はやや犠牲になりますが、文字組に冒険を加えることで新しい見え方を引き出す挑戦的な例といえるでしょう。
また、キャッチコピーとプロフィールを見開きの対極に配置してバランスをとり、漢数字を取り入れることでクラシカルな雰囲気を強調しています。こちらもイメージに頼らず、文字組だけで十分に魅力あるページをつくることができる見本です。
段組み仕様(共通)
文字サイズ:10Q
行送り:17.5H(175%)
段組:1段16文字 × 33行、段数5
段間:5mm(2文字分)
ぶら下がり:強制
文字組設定:縦組み中の欧文回転/数字は自動縦中横(2文字)/約物は全角ベース
和文と欧文間のアキ:0〜12.5%
禁則処理:あり
このテンプレートは、デザイン塾で制作しているB5冊子用の「ZANAD Basic Grid – T10 / T9 / Y9」をベースにしています。受講生には配布しており、効率的にデザインを進めるだけでなく、段組みの考え方や誌面設計の理解が自然と深まるように設計されています。
今回ご紹介したいくつかのパターンは、どれも基本の段組みをベースにしながら、そこから少しずつ解釈や工夫を加えたものです。誌面設計では、まず段組みによって整った形をつくることが出発点になります。その上で、本文をまたがせたり、段をずらしたりといった応用を加えることで、ページごとに異なる表情を引き出すことができます。
また、冊子全体を見渡したときには「ここはあえて外してみる」というアクセントも大切です。すべてを同じ調子で並べるよりも、基本と応用、整えと遊びをバランスよく配置することで、読み手にリズムや変化を感じてもらえる誌面になります。
今後も、ZANADテンプレートをもとにしたレイアウトのTipsを引き続き紹介していきます。ぜひチェックして、実際のデザインに役立ててみてください。
