【5】迫 瑞代さん(ランドブレイン)
〈自己紹介〉
鹿児島生まれ、鹿児島育ち。
出身の町と同じような海と山のある玄海町で仕事をして3年目。
まちづくりの仕事をしています。
〈迫さんの視点〉
玄海町ってどういう所かな?と考えた時に、海(ブルー)も山(グリーン)もあって両方きれいだよなぁ〜と思ったことから、町内の生産の現場にある「ブルー&グリーン」を探してみようと思いました。
現在、地域商社の仕事を進めている中で、新しく作るホームページのテーマカラーやロゴにも、町のイメージとして浮かぶ「ブルー&グリーン」が使われるのではないかという思いもあったので、そういうところが切り取れたら良いなと思い、撮影に臨みました。

1枚目>『鯛とブルー』
出荷するための鯛を生け簀から獲っているところです。
穏やかな内海の美しいブルーと、ボートのエメラルドグリーンがとても映えていて、1枚に収めてみました。

2枚目>『出荷とブルー』
生け簀から獲った魚を入れる水槽があるトラックに、魚を載せているところです。
バックの空の、雲に透けて見える青がきれいで撮りました。
車の横で背伸びをしながら撮影している一里さんが可愛らしくて、そこもポイントです。

3枚目>『ミカンとグリーン』
ミカン畑の木は低木で、まだ熟す前の緑色の実が鈴なりについていました。

4枚目>『ミカンと橘髙さんとグリーン』
見渡す限り一面グリーンだったので、これはテーマにぴったりだなと。
一応、空もブルーだったのですが、特にグリーンが、黄色に近いものから深緑までさまざまなトーンがあって、とてもきれいでした。

5枚目>『三島公園とグリーン』
三島公園にいる時、気付いたら、みなさんが山を登りはじめていました。
一番後ろからついて行ったのですが、追いつけなくなってしまい、みなさんが歩いていったあとを撮った1枚です。
ふと見上げると、光を透かした緑がとてもきれいで、シャッターを切りました。
奥の緑がボケていて、この先へ行ってみたいなという思いや、誰かが通った跡に懐かしさのような雰囲気を感じます。

6枚目>『富高岩とグリーン』
浜野浦の棚田展望台で見つけた看板。
10月18日に行う「青空レストラン」という企画で、腕をふるってくださるお店のものです。
緑の中に、文字もグリーンで書かれていたので撮りました。

7枚目>『マコモダケとグリーン』
生産者さんが刈り取ってくれたマコモダケの葉の、きれいなグリーンを押さえました。

8枚目>『マコモダケと生産者とブルー&グリーン』
この時間帯は、緑もですが、空の青もすごくきれいで、本当に気持ちの良い場所でした。
風が心地良く吹き抜けて、通り過ぎていく雲にも動きがあって。
マコモダケのグリーンと空のブルーを一緒に撮りたいなと思いシャッターを切った1枚です。

9枚目>『肉のラベルとブルー』
畜産業の現場を訪ねた時は、赤系の色ばかりで、ブルー&グリーンがなかなか無くてピンチだったのですが、ラベルの台紙の色はブルーだ!と思い、寄りで撮ってみました。

10枚目>『肉とブルー』
肉を切っているシーンです。赤色ばかりで自分のテーマに合うものが見つからない中、コンテナの青色を発見。
少しでも「ブルー&グリーン」に近づくよう、白色を背景に、作業されている様子を切り取りました。

11枚目>『子牛(イエロー)』
11・12枚目の牛舎では、本当に「ブルー&グリーン」が無く、急きょ「イエロー」で撮ってみました。

12枚目>『親牛(イエロー)』
牛の耳に付けられたタグにも、さまざまな色があったので、黄色のものを狙って撮りました。

13枚目>『ペコロスとB&G』
国重さんの説明でもありましたが、苗が本当に整然と並んでおり、生産者さんのきれいずきな性格や野菜づくりに律儀に向き合う姿勢がうかがえました。
野菜の伸びやかな緑と青い空を1枚に収めました。

14枚目>『生産者の笑顔とブルー』
鮮やかな青色のネットとも相まって、とても爽やかな生産者さんの笑顔。
話をするにつれて、だんだん柔らかな表情を見せてくださるようになって、お互いにオープンな空気感が生まれたようで嬉しかったです。
〈迫さんの感想〉
これまで何度も来ている玄海町の知らない場面にたくさん出会いました。
国道を使って通うばかりでは見られない風景や聞けない話の数々。
今度は町に流れているペースと同じスピードで、ゆっくりと地域の風景を味わいたいです!
〈石川の講評〉
説得力のある写真ばかりでした。
5枚目の『三島公園とグリーン』は、一見すれば、何気ない風景写真です。
しかし、この場所でシャッターを押すに至った迫さんの状況を聞くと、その時の心情を自分も追体験したかのように、この景色が心に迫ってきます。
視点採集では、撮影技術や被写体の素晴らしさよりも、なぜ撮ったのか理由を聞くまで他人には分からないけれど、知った途端に「なるほど!」となるものが「良い写真」になります。
それは、この「感動の共有」も目的の一つだからです。
自分の心が動いた光景を他人に伝え、また反対に、他人がどのように周囲の世界を見ているのかを知る。
そうした体験の中から、自分らしい写真を撮っていく上でのヒントが得られるのではないかと思います。
9枚目の『肉のラベルとブルー』は、かろうじて見つけた青色だったということですが、写真として見ても面白いですね。普段だったら撮らないような写真じゃないかなと思います。
10・11枚目のイエローの写真は、入れない方がテーマが破綻せずに良かったかもしれません。
14枚目の『生産者の笑顔とブルー』。僕もこの場にいたので、とても共感する1枚です。この生産者さんの几帳面さが表れていて、右上に少し海が見えているのも、玄海町らしいロケーションが感じられて、テーマにも合っていて、すごく良いと思います。