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2021.3.31

MORINAGA special creap ・ COFFEE MUSUME |安田珠実さん

MORINAGA special creap ・ COFFEE MUSUME |安田珠実さん

至福のひとときを求めて、何度も通いたくなる。
三姉妹でつくる、おいしくて満たされる場所。

「はさみ温泉 湯治楼」や「陶農レストラン 清旬の郷」などが立ち並ぶ「ミナミ田園」エリアに、昨年の4月、新たな顔が加わりました。
クレープ専門店の「MORINAGA special creap(モリナガ スペシャル クレープ)」。
開店してから1年も経たず、すでに行列のできる人気店となっています。
日々発信されているインスタグラムを見ると、旬のフルーツに彩られた、目にも美しいクレープの写真がずらり。
全種類を制覇したくなるほど魅惑的です。
モチモチの柔らかな生地に、ふわふわと軽くて口溶けの良い生クリームとカスタード、そして、たっぷりの果物にナッツのアクセント。
手渡された時はその大きさに食べきれるかしらと思ったのですが、ペロリとお腹の中へ消えていきました。
すぐに売り切れてしまうほど人気のスイートポテトはなめらかな口当たりで、お一人で何個も買っていかれる方も。(予約が確実です。)

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こちらのクレープの特徴は、生地も生クリームも、毎朝、一から手作りしていること。
材料はすべて国産のもので、クレープ用のミックス粉などは使っていません。
特に、おいしさのポイントとなっているのが、この生クリーム。
業務用の冷凍ホイップを利用しているところが多い中、こちらでは自分たちで泡立てた純生クリームを使用。
ケーキ屋さんのショートケーキに乗っているような、柔らかいクリームを使ったクレープを作りたいと思ったのだそうです。

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左から長女の珠実さん・スタッフの髙坂さん・三女の詩穂さん・次女の沙樹さん。

この「MORINAGA special creap」は三姉妹で経営されていて、安田珠実さんは長女にあたります。
クレープ作りも、接客も、新しいメニューの考案も、みんなで行っているそう。
さらに、1月21日には、自家焙煎のコーヒー店もオープン。
珠実さんは3人のお子さんがいるとは信じられないほど、パワフル!

一体どのような経緯で、クレープ屋さんとコーヒー店をすることになったのでしょうか。

「両親がもともとレストランを経営していて、その後、業態を儀式料理専門店に変えました。
その店舗のロビーだった1階部分を改装して、2013年に三姉妹でカフェレストランを始めることにしたんです。
親の会社を継ごうと考えていたわけでもなく、別の仕事をしていたのですが、流れでそうなりました(笑)。」

カフェレストランをオープンする前、珠実さんは佐世保の飲食店で働き、次女の吉田沙樹さんは調理師、三女の森永詩穂さんはパティシエの資格を取り、2人とも嬉野にある同じホテルに勤務していたそうです。

「両親の仕事の方が忙しかったので、そちらも手伝いながら、3人でカフェレストランを営業していたのですが、2019年に私が3人目の子どもを授かり、次女も結婚したため、お店を1年ほど休業しようということに。
その産休中に、ここの温泉施設のマネージャーで、小・中学校の同級生の中谷亜季さんから、声をかけられたんです。
月に一度のマルシェを復活させたいので、カフェレストランで人気のあったスイートポテトを出店してもらえないかと。
それで、10月に開催されたマルシェに参加しました。」

クレープ屋さんの店舗として現在使っている小屋が、その時ちょうど空いていたのだそう。

「この敷地内にある、石窯ピッツァDA TOMMYの宮田さんから『ここで来週から芋だけ売らんね』と言われて。
『いやいや〜産休中なんで』と最初は真に受けていなかったのですが、言われると気になってきて、何かできるのなら、やってみようと。
この環境を活かせて、人が集まってくれるような商品って何だろうと考えて、思いついたのがクレープだったんです。」

その考えは見事に当たり、土日ともなると客足の絶えないスポットとなっています。
珠実さんの小学校からの同級生の髙坂みなみさんがスタッフとして加わり、ご両親も手伝ってくれているそう。

「コロナの影響で、両親の仕事の方はすっかり減ってしまったので、タイミング的にはクレープ屋さんを始めれられて良かったです。
さらに、休業していたカフェレストランもリニューアルオープンすることにしました。」

それが、自家焙煎のコーヒー専門店「COFFEE MUSUME(コーヒー ムスメ)」。

「カフェは他にもたくさんあるので、差別化を図らなければなりません。
そこで、長崎にはまだ1台もない、全自動の焙煎マシーンを導入しました。
自分で選んだ生のコーヒー豆が焼けていく様子を目の前で見られるんですよ。」

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貴重なスペシャルティコーヒーを、焙煎したての新鮮な状態で、ご自宅でも楽しんでいただきたい、というのがコンセプト。

「焙煎したばかりのコーヒーは、香りがとても素晴らしく、豊かな風味を味わえるんです。
もっと気軽に、お家でも豆からコーヒーを淹れて飲んでもらいたいなと思っています。」

常時6種類ほど生のコーヒー豆が置かれており、だいたい6〜7分で焙煎できるんだとか。

この焙煎マシーン、珠実さんが京都へ行き、なんとその日に即決で購入。コーヒーについての勉強は佐世保にあるカフェの名店へ。
彼女の行動の速さは、お父様も舌を巻くほどだとか。
はたから見ると、まるで天が味方しているかのごとく順風満帆に来ているように思えますが、それはきっと、チャンスをものにする素早い決断力や実行力があったからこそでしょう。

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店内では豆の販売のほか、コーヒーに紅茶、スムージーといったドリンク類に、カレーなどの軽食やスイーツもいただけます。
また、9:30〜11:00はモーニングをされていて、嬉しいことにコーヒーはおかわり無料!
居心地の良さに、ついつい長居してしまいそうです。
おしゃれな内装に味わいを添えているのは、約50年前の当時のままというレトロな照明や窓ガラス。
授乳スペースや、トイレにはオムツ交換台もあり、ママ目線の優しさも感じられます。

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──お仕事のやりがいを教えてください。

「レストランカフェをやっていた時からずっとそうですが、お店に立っていると、色んな人たちが来てくださるので、そうした出会いを得られることが、やりがいになっています。
お店をしていなかったら、知り合えなかった人たちばかりなので。
それから、お客様の『おいしかったよ』という言葉がやっぱり嬉しいですね。ほんと単純ですけど(笑)。」

──今後のビジョンや目標は何ですか?

「まずはコーヒー屋さんを成功させたいというのが、今一番の目標です。
クレープの方は季節ごとに、冬はイチゴ、夏はシャインマスカット…とメニューを変えているので、『次は何が出るのかな?』とワクワクしていただけるように、これからも新しい味を考案していきたいと思っています。
どちらのお店も、みなさんの暮らしの中にある『楽しみ』の一部になれたらいいねって、いつも話しているんです。」

MORINAGA special creap ・ COFFEE MUSUME

三姉妹とご両親そろって。

とても仲が良いと評判のご家族。
クレープ屋さんの店名に入っているのは、珠実さんの旧姓である「森永」。
そして、コーヒー屋さんのショップ名には「娘」という言葉。
そんなところからも、家族のつながりを大事にしている気持ちが伝わってくるようです。

クレープの焼ける、ふんわりと甘い匂い。ドリップしたコーヒーから立ちのぼる芳香。
人を幸せな気分にさせてくれる香りのように、このファミリーの楽しげで温かな雰囲気がじんわりと広がって、たくさんの人がお店に集ってくるのかもしれません。

MORINAGA special creap ・ COFFEE MUSUME

──私の波佐見のイチオシ!

「クレープ屋がある場所のすぐそばを流れている川棚川に沿って、遊歩道が整備されていて、桜並木になっているんです。
春になると、数キロに渡って桜がぶわーっと!お散歩すると気持ち良いですよ〜。
その美しい風景がイチオシですね。
敷地内にあるテラス席からの眺めも素晴らしいので、温泉に入った後、クレープや石窯ピッツァを食べながら、のんびりするのもオススメ。テラスはワンちゃんもOKですよ。」

*2021年1月インタビュー
*撮影の時のみマスクを取っていただきました。

MORINAGA special creap

波佐見町長野郷558-3(はさみ温泉 湯治楼の敷地内)
TEL/0956-85-5283
営業時間/12:00〜16:00
定休日/なし
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COFFEE MUSUME

波佐見町稗木場郷119-1
TEL/0956-85-7229
営業時間/9:30〜16:30
定休日/日曜
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