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2020.3.1

和山 |林恵深さん

波佐見ポートレイト|和山

料理好きだからこそ、家庭に馴染むものを。

リーズナブルで日常使いの器を展開する「和山」のデザイン企画室に所属する林さん。メーカーだった実家に18年勤めた後に入社。器はずっと身近な存在です。料理好きで、使う側の気持ちに立ってデザインした縁の広いリムシリーズが、長崎デザインアワードで奨励賞に。料理を引き立てる優しいトーンに、家庭的な温かさが宿っているよう。

──どのような会社か教えてください。

この会社は53年になります。
波佐見焼は家庭に馴染みやすい器ということで、価格帯もリーズナブルに、使い勝手の良い食器をつくることを目標にしています。

──林さんは主にどのような仕事をされていますか?

入社して7年半なんですけど、最初は絵付け現場に入って、半年位してデザイン企画室というところに配属になり、現在はデザインを主にしています。
元々実家が焼物のメーカーで、そこで働いていました。父の代で廃業することになり、商品の継続先として和山が決まり、私もそのままこちらにお願いして入れていただきました。なので焼物に携わって25年ほどになります。
最初はパティシエの専門学校に行こうとしていたくらい、お料理やお菓子づくりが好きで。
働きながらお料理教室に4年通っていました。その経験は器づくりにとても生かされています。

──デザイン企画室ではどのようなことをされていますか?

まずは弊社のオリジナル商品の制作です。あと、商社の方から依頼されたものを会社の規模に添えるようにデザインするという仕事をしています。

──このお仕事のやりがいを教えてください。

お客様に買っていただける、注文がリピートするなど成果が目に見えて分かるので、そこは一番のやりがいですね。
一番の自信作は、長崎のデザインアワードで奨励賞をいただいたシリーズです。
私自身お料理がとても好きなので、“お料理映えがする”というのを一番のコンセプトに制作しました。縁に余白(リム…お皿の一段上がった縁の部分)があるんですけど、それがあると中心に置いたお料理がとても映えるんです。色も自然な感じをイメージして。和山のテーマでもある“侘び寂び”をかなり意識しました。

波佐見ポートレイト|和山 波佐見ポートレイト|和山

──波佐見町のすきなところはどこですか?

自然がいっぱいなところ、人が優しい、あたたかいところですね。
成人するまでは波佐見の良さに気付くことは無かったんですが、出張などで他所に行ったり、お客様と話していると、“波佐見の人はあたたかい”と言われて。そうなんだ、と気付くことが多いです。

──個人的に好きな場所はありますか?

自然がきれいなところは、やっぱり鬼木の棚田ですね。たまに見に行きます。
鬼木棚田まつりの案山子もおもしろいので、見に行ったりします。

波佐見ポートレイト|和山

*2020年1月インタビュー

和山

長崎県東彼杵郡波佐見町折敷瀬郷2200-1
TEL/0956-85-2471