![araki-main 和ろうそく=荒木製蝋合資会社](https://f-d.heteml.net/f_d2019/wp-content/uploads/2019/11/araki-main.jpg)
自然にも人にも、優しくゆらめく和ろうそくの灯り。
アロマテラピーやキャンドルナイト、ろうそくの灯りに癒される人は多いのではないだろうか。ハゼノキの果実から抽出される木蝋は、その安全性から幅広い分野で使われてきた。「天然素材なので食べても害がないんです。そのため化粧品や医薬品、クレヨンなどの原料にもなっています」。木蝋の一大生産地である筑後。しかし、価格の安い石油系のパラフィン蝋の出現により生産は減少した。全国で木蝋を生産するのは、今では嘉永3年創業の荒木製蝋合資会社を入れて3カ所だ。「もともとはハゼノキから蝋を取り出し、原料として卸すのが仕事でした。和ろうそくを作り始めたのは17~18年前からですね」。そう語るのは7代目である荒木真治さん。木蝋の新たな可能性として和ろうそくの生産を再度進めている。「木蝋で作る和ろうそくはパラフィンのものよりもススが出ません。また、炎のゆらめき、色が違いますね」。その魅力を伝えるため、絵付けをしたものやアロマテラピーに使えるような和ろうそくを、と模索している最中だ。「みんなで協力しながら、和ろうそくの魅力を伝えていきたいですね」。荒木さんはそう言って、目を輝かせていた。暗闇にゆらめく和ろうそくの灯りは、私たちにゆるやかな時間の流れを与えてくれている。
![araki-1 和ろうそく=荒木製蝋合資会社](https://f-d.heteml.net/f_d2019/wp-content/uploads/2019/11/araki-1.jpg)
木蝋の原料ハゼの実だが、年々収穫が減っている。和ろうそくの輪が広がることが収穫の手助けになる。
![araki-2 和ろうそく=荒木製蝋合資会社](https://f-d.heteml.net/f_d2019/wp-content/uploads/2019/11/araki-2.jpg)
丁寧に抽出された木蝋は自然の恵み。化学物質では表現できないつやとしなやかさを持つ。
![araki-3 和ろうそく=荒木製蝋合資会社](https://f-d.heteml.net/f_d2019/wp-content/uploads/2019/11/araki-3.jpg)
抽出された木蝋を型に入れ固めたもの。取り出したそのままの蝋を生蝋(きろう)という。
![araki-8 和ろうそく=荒木製蝋合資会社](https://f-d.heteml.net/f_d2019/wp-content/uploads/2019/11/araki-8.jpg)
生蝋を砕いて天日干ししているところ。食べても害が無いという安全性の高さから、化粧石けんなどの原料となる。
![araki-7 和ろうそく=荒木製蝋合資会社](https://f-d.heteml.net/f_d2019/wp-content/uploads/2019/11/araki-7.jpg)
2次製品を作るため輸出される木蝋。型は国内向けと国外向けがあり、写真は国内に輸出されるもの。
![araki-4 和ろうそく=荒木製蝋合資会社](https://f-d.heteml.net/f_d2019/wp-content/uploads/2019/11/araki-4.jpg)
木蝋は空気に触れることで白くなる。そのやさしく上品な色合いは天然素材ならでは。
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![araki-prof 和ろうそく=荒木製蝋合資会社](https://f-d.heteml.net/f_d2019/wp-content/uploads/2019/11/araki-prof.jpg)
- 荒木製蝋合資会社(あらきせいろうごうしがいしゃ)
- 嘉永3年(1850年)創業。同社の木蝋はそのツヤとしなやかさで、海外にも多く輸出されている。お話を聞かせてくださったのは7代目の荒木真治さん。
問/0944-22-5313 住/みやま市高田町江浦町386
写真=石川博己 文=柳田奈穂