クリエイティブツアー「椎葉村メープルツアー」中に行った、フォトワークショップ視点採集。
1泊2日の椎葉村での旅で、皆さんの採集されたコレクション(写真と視点)をご紹介いたします。
*ツアーの様子については、ツアーレポート(1日目)・ツアーレポート(2日目)をご覧くださいませ。
視点採集コレクション紹介(No.7〜No.12)
【7】Y.Hさん 女性(Panasonic LUMIX DMC-FH5 /digital)
〈Y.Hさんの視点〉
これまで椎葉村には神楽を見に何度も来ています。
今回は目的が神楽ではないので、何を改めて発見できるのかなと楽しみにしてきました。
私のテーマは、数字の「2」です。
ものを見る時には「表と裏」「良いところ・悪いところ」といった二面性を普段から考えているので、
2つのものの対比を撮りました。
さらに自分は、例えば壁の表面のザラザラ感といった、面白いテクスチャー・質感のものを撮るのが好きなので、
テクスチャーにも着目しました。
メープルの樹液の採取に行った時のものです。
沢山ある木の中で、この2本が目立って感じられたので撮ってみました。
こちらも同じくメープルの森にて。
葉の表と裏。時間の経過の対比。テクスチャーの面白さ。
2人の後ろ姿。遠くの風景とマッチしていて良いなと思って撮りました。
異なる2つの植物にそれぞれ霜がついていました。テクスチャーが面白くて。
椎葉民俗芸能博物館の中にあった石臼です。
上と下の石で「2」。テクスチャーに惹かれて撮りました。
神社の上部にあった、木で出来た2つの雲。色の対比も際立っています。
手すりのテクスチャーと、黒・赤の色の対比が気に入って撮りました。
神社のところに立っていたポール。
この蝶々は、平家の紋章だそうです。人工物のポールと自然の木との対比。
テクスチャーが面白かったので。時の経過についても感じられます。
2つの窓。人工物と自然。
〈Y.Hさんの感想〉
初めて視点採集に参加させていただきました。皆さんの発表を聞いて、すごく面白かったです。
また、似たような写真を撮っていても、視点が全く違うと、こんなに新鮮に感じられるものなのかと改めて思いました。
ツアー全体に関しては至れり尽くせりで、非常に大満足です。本当にありがとうございました。
【8】A.Hさん 女性(Panasonic DMC-G6 /digital)
〈A.Hさんの視点〉
椎葉村は森に覆われていて自然がすごく豊かで、歴史や伝承などもある土地なので、
絶対に「人ならざるもの」がいるに違いないと思い、そういった神様や精霊や妖精のようなものの視点で撮りました。
イメージ的には、映画『もののけ姫』にでてくる「コダマ」みたいなものを想像したので、ちょっと視線は低めです。
人がいっぱい椎茸を干していたら、1個位くすねても、たぶんバレないと思っているだろうなと想像して撮りました。
森の中では色々な木が見られましたが、ツルツルしている木より、このようにゴツゴツしている木の方が
登りやすいだろうなと思って。
八村杉のところで。
人が大勢やってきたので「わぁ、人が来た!」と思って陰から覗いているんじゃないかと思って、
木を見ている人を遠くから撮りました。
これは友達である狐の神様。たぶん油揚げよりも、お豆腐をいっぱい食べていると思います。
普段は森の中に暮らしていて、こういう風景を見ながら、平坦じゃない道を歩いているんだろうなと。
木の根元の隙間に立っていて、小さなサイズ感といい、これを何かの目印にしていたら面白いなと思って撮りました。
朝焼けの風景は神秘的で幻想的でした。
朝が来ると同時に、神様たちが起き出してきます。
先程の八村杉のところと同じ感じなのですが、人がいっぱい集まってきたので、それを陰からコソッと見ているところです。
きっと昔から人の営みと共にいて、人里にも下りてくることがあります。
こういうところを伝って森から下りてくるのではないかとイメージしました。
森と違って、整備された町中はすごく歩きやすそうです。
〈A.Hさんの感想〉
視点採集に初めて参加させてもらいました。テーマは何となくは一応決めてきていましたが、
それに対して、もうちょっと上手い撮り方があったのではないかという思いや、
10枚に絞ってセレクトすることにも難しさを感じました。
皆さんが本当に色々なテーマで撮られていて、自分では思いつかないような視点を見られて面白かったです。
椎葉村という名前も知らず、でも魅力を感じてツアーに申し込んだのですが、本当に来て良かったなと思っています。
美味しいものもいっぱいで嬉しかったです。
びっくりする程のおもてなしをありがとうございました。
【9】T.Iさん 男性(Panasonic LUMIX GM1 /digital)
〈T.Iさんの視点〉
カメラに興味を持ったのが本当に最近でのことで、テーマを決めて撮るということも全然なかったので、
何を撮ったら良いのかとずいぶん悩みました。
今回、僕がテーマとして撮らせていただいたのは「裏側からの視点」です。
普段あまり見ないようなところを意識して撮ってみました。
初日の美味しい昼食の裏側で、そば屋の大将と女将さんが頑張って作ってくれているところです。
昼食を食べた古民家の裏にあった、鹿の頭蓋骨。
建物の裏側に回ってみなければ、発見できませんでした。
しかも博物館で伺った説明によると、この骨は狩猟した数を表すそうで、さらに裏の裏がありました。
この空は、早朝に皆さんが撮影されていた雲海の、裏側の空になります。
反対側をちょっと覗いたら、こんなに綺麗な空が広がっていたんだという発見がありました。
雲海を撮影した後の、撤収時の写真です。
皆さんがすごく寒そうに帰られているところを激写させてもらいました。
僕たちが泊まった宿の裏側です。
中はすごく綺麗で、やっぱり裏は情緒というか、趣がある感じで発見がありました。
今回のツアーを支えてくれた、裏側のスタッフの皆さん。
本当にありがとうございました。
今回のツアーは本当にすごいですよね。1万円とは思えない豪華さでビックリしました。
上椎葉ダムの説明をしてくれた高島さんの後ろ姿。
法被の背中の文様が特徴的で、後から聞いたら、平家の家紋の揚羽蝶をモチーフにしているそうです。
ダム工事の際に犠牲となった方々の慰霊碑になります。ダム建設の裏側には、こういった裏話がありました。
これは〝あのライオン〟の裏側。
裏側もちゃんと可愛いという発見がありました。
鶴富屋敷の屋根の裏側です。
表から見たら、こんなに高さがあるとは思わなかったので、すごくビックリした発見でした。
〈T.Iさんの感想〉
今回、テーマを決めて写真を撮るという初めての試みに挑戦しました。
テーマを決めて撮るには、テーマに沿ったモチーフを探していくことが必要になってきます。
その過程で、普段は意識していなかった発見や魅力が沢山出てきて、
こういう写真の撮り方があったんだって学ばさせていただきました。
すごく身になる体験、ありがとうございました。
【10】C.Kさん 女性(Nikon D750 /digital)
〈C.Kさんの視点〉
村のいたるところに色んな模様が見えたので、それを写真としてフレームに収めてみました。
初めに行った十根川重要伝統的建造物群保存地区です。
建物の随所に、すごく可愛い模様が多くて、それに注目して撮った一枚です。
これは石垣です。
それぞれ違う形の石を昔の人が積み上げて作り上げたものだと思うのですが、
そういう人々の営みや歴史を感じさせるものだと思って撮影しました。
幹の中が空洞になっている木があったので、穴の開いているところからカメラを入れて、上に向けて撮った一枚です。
この木の生きてきた模様が刻まれています。
分厚い木の皮が一枚一枚重なり合って、この木が過ごしてきた年月を表しているのかなと思って撮りました。
鶴富屋敷で撮った柱です。
左側が室外で、右側が室内なので、やはり室外に向かっている方は雨風に晒されて、
木の模様が出てきてしまったのでしょうか。
左右それぞれにパターンが違っているのが面白いなぁと思いました。
博物館に展示されていた的の写真。
上の方に飾ってあったものの影が、模様のように映り込んでいて綺麗だったので撮りました。
村の商店街の通りで。
おそらく歩道と車道の区切りだと思うのですが、アルファベットのHが地面にずっと並んでいるみたいで
可愛いなと思いました。
私が住んでいる地域では、側溝のフタで、こういう模様のものは見たことがなかったので、珍しくて撮りました。
なんだかよくわからない丸が不思議です。
先程の、道路に描いてあった線が車に映り込んでいる様が、まるで車の模様みたいで可愛かったので。
色んなところに色んな模様の穴の開いた竹が飾ってありました。
何か意味のあるものなんだろうなと、気になったので撮りました。
〈C.Kさんの感想〉
普段、観光旅行に行っても、地元の方と接する機会はそう無いのですが、
今回のツアーでは、椎葉村の方と接する機会が本当に多くありました。
実際に地元の方とお話をして、この地域の歴史や、ここでの生活ぶりなどを詳しく教えてもらえたので、
色々な発見や知識を得ることができて、すごく良かったなと思いました。
視点採集については、いつもはテーマを決めて写真を撮るということが無いので、
安易なものばかり撮ってしまったんですけど、
また機会があったら、きちんとテーマを決めてリベンジしたいと思いますので、その際は宜しくお願いします。
2日間、ありがとうございました。
【11】Y.Kさん 女性(Canon EOS 5D /digital)
〈Y.Kさんの視点〉
ツアー中、参加者の方々からお話を聞いていると、運命的にここ椎葉村へ導かれてきた人が多いように感じられました。
そこで「誘導」というテーマで撮ることにしました。
先程、「精霊の視点」で撮られていた方がいらっしゃいましたが、
私も、もし精霊がいたら、進む方向は「こっちだよ」という何か目印を残してくれているのではないかなと思い、
そういう目線で撮りました。
ゆるやかにカーブしている側溝が、道筋を教えてくれているようです。
光が漏れてできた白いラインが、こっちの方だよと指し示してくれているような気がして。
杉の木の幹に寄って撮っています。表面の凹凸のある動きが、誘導しているように感じました。
生い茂る木々の間に、まるで矢印のような木が見えたので。
「あっちの方が光っているから間違えそうだけど、本当はこっちだよ!」と言っている気がしました。
木の幹が地図みたいに見えたので、「隠された地図を見つけた!」という感じです。
倒木が、矢印のように方向を指し示している感じだったので撮ってみました。
これも先程のマップに見えたものと近いのですが、苔の張り巡らされている様子が道のように見えて。
解読すれば、どこかに行けるような気がします。
「こっちにおいでよ」と誘導されているような気がして…。
「~な気がして」というのも、だいぶ苦しくなってきましたけど(笑)。
本当は小さな割れ目なのですが、寄ると洞窟のようにも見えるし、椎葉村で洞窟が見つかったというお話も聞いていたので、面白いなと思って撮りました。
クローバーがセメントを割って、その間から出てきていました。奥に何かありそうな気配がして撮ってみました。
〈Y.Kさんの感想〉
この2日間で頂いた食べ物の品数の多さは、ここ数年で一番多かった気がします。ありがとうございました。
視点採集には初めて参加させてもらったのですが、
「テーマに沿った写真を撮り、10枚セレクトして発表する」という作業は、断捨離に近いなと感じました。
不要なものを削ぎ落とし、本当に「これだ!」というものをつかみ取っていくことは、
色々な場面で必要となるスキルなのではないかと、勉強になりました。
今後も「テーマ探し」を日常の生活のなかに取り入れていきたいと思います。ありがとうございました。
【12】T.Kさん 女性(Canon PowerShot SX500 IS /digital)
〈T.Kさんの視点〉
私は今回、もてなされる側の人間だったのですが、「もてなす側の視点」で撮ってみました。
出発してすぐのバスの中です。
自分がもてなす側の人だったら「今日は皆どんなテンションかな?」「空調は大丈夫?寒くないかな?」などと
気を配っている場面だろうと思いました。
宿に着くとすぐ、入り口のそばの囲炉裏で焼いてあったヤマメが目に入りました。
「いつから焼いてたんだろうか?きっと何時に帰ってくるのか、ちゃんとスケジュールを把握して焼き始めたんだろうな」と考えました。
すごく良い感じに焼き上がっていて、タイミングはピッタリでした。
1日目の夕食です。
いつもだったら「わ!綺麗!」と思っただけかもしれませんが、もてなす側のことを考えると、
メニューも全部ちゃんと書いてあって、「いつからメニューを決めてたんだろう?」
「朝早くに山菜を取りに行ったのかな?どこに取りに行ったのかな?」といったことにまで思いが至りました。
2日目の朝、雲海を見に行く途中で撮りました。
前日の夜も通った道ですが、その時は暗くて、こんな道だと分からなかったので、朝の方が感動が大きかったです。
石などを避けたり、溝のところはゆっくり走ったり、色々と考えながら運転してらっしゃったなぁと。
雲海を見に行った場所で。
この景色だけでも十分だったのですが、テーブルにコーヒーまで出てきて驚きました。
「夜はこれが良いね、朝はこうした方が良いね」というのを考えて準備してらっしゃるんだなと思い、
それが伝わるように景色とコーヒーを一緒に撮りました。
テーブルに敷かれた紙に「ありがとうございます!」と書いてあるのが見えて、プリンと文字が入るように撮りました。
こうした手書きの言葉があることで、いっそう美味しく感じられるなと思いました。実際にとても美味しかったです。
道沿いに、すごく花が多かったので。「誰かが水をあげてくれてるんだろうなぁ」
「ずーっと並んだこの花は、誰が植えてるんだろうか。役場の方が植えてるのかな?」などと思いながら歩きました。
目にする頻度が多かった、この傘。
あちこちにあったので「どこかで借りて傘をさして、また別の場所で建物に入る時に、そこで返せば良いんだな、便利だな」と思いました。
初日の昼食の時に、お蕎麦の準備をしている様子を上の方から撮りました。
すぐにパッと出せるように、すごく下準備もされていたんだろうなぁということが伝わります。
もてなす側には「ここを見てほしい」「こういうことを伝えたい」というものがいっぱいあると思うので、
私だったら「どこか気になるところはありますか?」と声をかけているところかなぁと想像しながら撮りました。
〈T.Kさんの感想〉
椎葉村には、古民家など昔のものが多く残っていて良かったです。
何の下調べもせずに来たのですが、出されるものを受け止めての連続で、受け取るものが多いツアーとなりました。
帰ってFacebookにレポートみたいなものを載せようと思い、昨夜パソコンで書いておりましたが、
ビックリするほど載せる内容が多すぎて、うまく端折りながら書かないといけないくらい、色々なことがあった2日間でした。
ありがとうございました。