Issue 2023.12

Issue 2023.12

デザイン塾で制作する、テーマ自由のオリジナル冊子。受講生4名の学びの成果をご紹介。

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2015.8.12

Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編

第3回目となる「視点採集」を2015年8月9日(日)に開催しました。

視点採集とは、身近な風景から自分らしい一枚を写し取り、
今まで気づかなかった見方や、新しい視点を蒐集していこうという企画です。

なんとなくシャッターを切るのではなく、
自分なりに「どういう視点で撮るか」を決めて撮影していきます。

最初からテーマがはっきりと定まっていなくても、
意識して撮っていくうちに「自分はこういう情景・光・色・形状に惹かれる」というものに
気づくこともあります。

また、数多くの枚数を撮るのではなく、厳選して撮ることを心がけます。
目安としては、フィルムカメラの方はフィルム1〜2本分、デジタルカメラの方も40〜70枚くらい。
1枚1枚、大事に撮っていきます。

今回の採集エリアは博多のまち。
緑が眩しい公園、川沿いの道、青い海と港、賑やかな商店街、カラフルで近代的な商業施設、由緒ある神社…
いくつもの情景をもつ舞台で、果たしてどんな視点が採集できたのでしょうか。

Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編

講師を務めますのは、F_dの代表でアートディレクター・写真家の石川博己です。
虫取り網を持ったら、まるで昆虫採集に出かけるかのような装いの石川を先頭に
いざ、博多のまちへと繰り出します。

(スマホで撮った写真のため、あまり画質が良くありません。申し訳ございません…。)

今日一日のスケジュールは
①撮影散策(約3時間半)
②F_dの事務所にて昼食(フィルムカメラの人はその間に現像)
③写真をセレクト(撮影したものから10枚選択)
④写真のレタッチ(Lightroomを使用)
⑤発表(どういう視点で撮ったのか)
という流れで進みます。

Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編

今回の参加者は、フィルムカメラの方とデジタルカメラの方が半々くらい。
写真を始めたばかりの初心者の方から写真歴の長いベテランの方まで様々です。

講師の石川によるフォトレクチャーを交えつつ、撮り進みます。

Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編

見上げてみたり、覗き込んでみたり、しゃがんで撮ってみたり。
キョロキョロ、ウロウロ、かなり怪しい集団だったかもしれません。(^^;

Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編

「視点を決めて撮る」という、普段とは異なる撮影スタイルに最初は戸惑われていた方も
だんだん慣れてきて、気がつけば皆さん、すっかり撮影にのめり込んでいらっしゃるご様子。

Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編

猛暑のなか、汗をかきつつ、よく歩きました。
(万歩計をつけていた方によると、10,000歩以上をカウントしていたそうです。)
誰ひとり熱中症になることもなく、無事に撮影ができて良かったです。

Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編

撮影散策のあとはF_dの事務所へ。
皆で一緒に昼食のお弁当をいただきました。

続いて次の行程、写真のセレクトです。
撮った写真の中から、自分の視点・テーマに沿った10枚を選びます。
ひとつの視点で撮られた写真をまとめて見せることで、テーマがより強く伝わります。

デジタルカメラの方は、やはり枚数を沢山撮ってしまったようで、選ぶのに苦労されていました。
フィルムカメラの方は、全員フィルム1本のみで撮影終了。
それでも10枚を選ぶのって悩みます。

写真をセレクトしたら、Lightroomというソフトを使って写真のレタッチ講座。
明るさを調整したり、傾きを修正したり、トリミングしたり、ちょっと黒を引き締めたり…。
自分の視点に合うよう、選んだ写真を同じトーンで揃えます。

Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編

レタッチの済んだ10枚の写真をスライドショーにしたら、いよいよ最後の行程。
本日採集してきたコレクション(写真)のお披露目です。
写真をプロジェクターで投影しながら、どういう視点で撮ったのかを発表します。

他の人の写真を見ることで、自分の中には無かった視点を採集できるのも
このワークショップの魅力のひとつ。

自分以外の人の視点を聞くと「こんな切り取り方もあったのか!」という新たな発見があります。

Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編

参加者の中で、最年少はなんと中学1年生。
しっかりと自分の視点を話してくれました。

私が子供の頃は、知らない大人たちの前で自分の考えをきちんと述べるなんてできなかっただろうと思うので、
すごく感心いたしました。

Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編

皆さん、真剣に見て聞いています。
他の人がどのような視点で写真を撮っているのかなんて、なかなか普段、知る機会なんて無いですものね。

Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編

どんなテーマで撮ったのかという違いだけでなく、
使うカメラやレンズによって、どんな写りになるのか?
同じカメラを使った場合、撮る人によって写真はどう変わってくるのか?
フィルムとデジタルの違いは?
…等々、人の写真を見る際にも様々な視点が得られます。

Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編
同じ時間に同じ場所を巡ってきたはずなのに、皆さんが違う視点で全く異なる写真を撮っていたのが
とても興味深かったです。

また、同じものが撮られていた場合には、
同一の被写体でも色んな視点やテーマで切り取れるんだなと面白く感じました。

日常の生活では出会えなかったかもしれない人達と一緒に写真を撮ること。
どんな写真を撮ったのか見せてもらうこと。
どういう思いで、その一枚を切り取ったのかを聞くこと。
しかもそれを、記憶も感覚も新鮮なうちに、全部一日でやりきってしまうという…!
その全てが楽しく、自分にとっても良い刺激となりました。

体力も“カメラ脳”もフルに使った写真三昧の一日。
ご参加いただいた皆さん、どうもありがとうございました!

Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編

それでは長らくお待たせしました。
皆さんの撮られた写真をご紹介いたしましょう。

 

視点採集コレクション紹介

【1】Chie.Nさん 女性(Rollei35T /film)

Nさんは現在、F_dのデザイン塾に通ってくださっています。
今日はお嬢さんと一緒にご参加いただきました。
母娘で写真という共通の趣味があるって、素敵ですね。

〈Nさんの視点〉
テーマは「硬いもの・硬質なもの」。
最初は建物やコンクリートなどを撮っていましたが、
撮っていくうちに、グレーのなかに赤や黄が少し入っているなど、
寒色のなかにビビッドな色が入っているものが気になり、結果的にそちらのものを多くセレクトしました。

〈感想〉
初めてこのような撮影会に参加しました。
今まではフィルムを1本入れると、とにかく撮り切ろうとそればかりで、
どういう視点で撮るかなどはあまり分からないまま、代わり映えの無い写真ばかりで満足していませんでした。
今日は最初から気合いが違ったのか、仕上がりも今までと違っていて、気に入った写真も何枚かありました。
今回は露出も気をつけて撮ったので、このまま頑張っていこうと思います。
また、同じカメラの方がいて、色々な話も聞けて良かったです。

Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編

〈石川の講評〉
視点採集では〝よく観察して写真を撮る〟という、写真を撮るうえで基本的なことを意識します。
今までの何気なく撮っていた状態から、〝何を撮ろう、何に目を向けよう〟と意識することで
どういう風に撮ったらよりそれが伝わるだろうかと考え、構図を練るようになります。
それだけ考えて撮っているので、いい写真、納得のいく写真ができたんでしょうね。
今回使われたカメラがフィルムということもあり、一枚一枚大事に撮っていくことで精選され、
さらにその被写体に対して〝どう撮ろうか、撮るべきか?〟を考えることで、より良い写真になったのだと思います。
僕はブルーのタイルとカニのような街頭の写真が好きでした。
この位置は歩いていて見えない右肩の上の方にあるんですね。
キョロキョロして注意深く自分の視点に合う被写体を探し歩いたNさんの姿が想像できます。
これからも観察力を鍛えていい写真を撮ってください。

 

【2】Chikaちゃん 女性(PENTAX Q /digital)

Nさんのお嬢さん。中学1年生。最年少の参加者です。
Lightroomでのレタッチもサクサクこなしていました。すごいですね。
Fさんが写真のセレクトで迷われている時も、的確なアドバイスをしていました。
今日のことが、夏休みの良い思い出になっていたら嬉しいのですが…。

〈Chikaちゃんの視点〉
テーマは「生き物」です。

〈感想〉
最初から特にテーマは無くて、目についたものを撮るだけでしたが、
結局、撮ってみたら生き物ばかりだったので、自分の興味の対象はそれなのかなと思いました。

Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編

〈石川の講評〉
今回、ひときわ輝いた写真を撮ってくれたChikaちゃん。生き物が好きだと言ってました。
撮影が終わってF_dの事務所に来た時も、マスコットキャットのジロをずっとブラッシングしてくれました。
Chikaちゃんにとっては、カメムシもアリも死んだ蟬も、ふ化した後の蛾のさなぎの殻も
みんな愛おしそうな感じで写真になっています。素敵ですね。
死んだ虫や鳥などを「刹那」といっていい感じに撮る人がいますが、Chikaちゃんの写真は純真で作為がなく素敵です。
ものを見る目はこうありたいと改めて気づかされた写真です。
最短焦点距離を通り越してボケてしまったカメムシの写真が好きです。
こういう写真を見ると、写真は技術じゃないなぁと思うのです。
Chikaちゃんはもうすぐお父さんのいる中国蘇州へ行くとのこと。
そこでもぜひ素敵な、Chikaちゃんらしい写真を撮ってほしいです。

 

【3】H.Oさん 女性(Canon FT /film)

おじいさまが使われていたカメラでご参加くださいました。
とても写真好きのおじいさまだったようです。
大切に受け継がれていくものがあるって、とても素敵ですね。^^
今回、初めて知った機能もあったということ。
これからきっと、このカメラをどんどん使いこなしていかれるんだろうなぁと思うと、
なんだか嬉しくなりました。

〈Oさんの視点〉
「涼しさを感じるもの・涼しげなところ」を探して撮りました。

〈感想〉
今まで、ほとんど写真を撮ったことがなく、
シャッタースピードとか、わからないことだらけでしたが、
初めてこういうものに参加して、先生に教えてもらうことができました。
これまで本を読んだりしても理解できなかったのですが、
やはり人に教えてもらった方が綺麗な写真が撮れるなと思いました。
皆さんが撮っている様子を見て、こんなところを撮るんだということも学べて良かったです。

Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編

〈石川の講評〉
涼感溢れる写真ですね。この日はものすごく暑くて、途中で誰か倒れるんじゃないかとヒヤヒヤしました。
Oさんの視点がまさにライブな感じでいいですね。
あの暑い日の温度と日陰の涼しさが思い出される写真です。
この日のOさんのカメラはおじいちゃんのフィルム一眼レフカメラ。
フィルム感度は低感度の100を入れての撮影でした。
カメラの露出計の精度が頼りなかったので、
日なたでは絞りF8でシャッタースピード1/500秒を基本に、反射しているところは絞りをF11に
暗い日陰は絞りをF5.6に、もっと暗い場合はさらにシャッタースピードを1/250秒にして撮るようアドバイス。
ところどころアンダーだったりオーバーだったりしたものの、いい感じで撮れていました。良かった!
下川端町の喫茶店「シャポー」の前の赤が効いた写真は素敵です。
これ一枚見ても伝わらないものも、10枚通した“視点”がはっきりあるから、ちゃんと写真に意思が宿るんですよね。
これからもおじいちゃんのカメラを愛用していい写真を撮ってください。

 

【4】K.Fさん 女性(Canon EOS Kiss X7 /digital)

昨年の池島レトログラフィ、そしてクリエイティブツアー写真展にも参加してくださったFさん。
アクセサリー作りもされていて、美的センスが抜群の方です。
視点採集の「猫の写真は1枚まで」という猫ルールは、Fさんにとっては厳しいものだったかもしれません…。

〈Fさんの視点〉
テーマは「世の常」。
「日常のナマの雰囲気」「普通の人間の汚いところ」「死生観」などを入れました。
下からのアングルで撮ることで、目線を下げたところから見るリアリティが出ればと。
レタッチでは、全体的に一回明るくして、黒を締める感じにしました。

〈感想〉
良いカメラで、レンズもズームを使って撮っていますが、
皆さんの写真を見て「原点に戻る」ということを考えました。
自分の視点がメルヘンではなく、ドキュメンタリー寄りであることが如実にわかり、
そういう視点に気付けたのも良かったです。

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〈石川の講評〉
深い視点で採集された数々の写真。いつも地面ギリギリにいるなぁと思っていたら
下からのアングルにこだわっていたんですね。
確かにそのアングルだと死んだ蝉がよりリアルに見えますね。
いつもの目線ではない、かなり低い位置から捉えた写真を見ると、
自分が墜落しそうな気がして思わず手をついてしまいそうな、不安な気持ちになります。
それが、Fさんのテーマ「死生観」をより強調しています。
普段とは違う角度から見た景色や、意識しないと撮ることのない“ゴミ”など
在るんだけど、意識的に見ないものをFさんの写真は気づかせてくれます。
死んだ蝉やゴミから川端商店街を歩く家族まで、解釈の幅が広く感心しました。(偉そうですみません)
自分の視点がドキュメンタリーだったというのに気づけて良かったですね。
その方向、より突き詰めてみてください。

 

【5】K.Yさん 男性(Nikomat FTn /film)

福岡県立美術館でのクリエイティブツアー写真展をたまたま見て興味を持ってくださり、
今回ご参加いただいたとのこと。WEBのデザインをされているそうです。
かねてからの「デザインがうまい人は写真もうまい」という私の勝手な持論を裏付けてくださいました。

〈Yさんの視点〉
「その先にあるもの」をテーマに、「繋がり」「奥行感」「向こう側を連想させるもの」を視点として撮りました。

〈感想〉
同じところを散策したのに、テーマによって、こんなにも捉え方が違うんだなぁと、すごく面白かったです。
普段はデジカメでバシバシ撮っているのですが、
今日はフィルムカメラで、一枚一枚を本当に大事に大事に撮っていきました。
少ない枚数で、考えながら撮れたのも良かったと思います。

Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編 Report: 視点採集「博多ぶらぶら」編

〈石川の講評〉
セレクトしている写真を見たとき、絵心あるなーと思っていましたが、やはりデザイナーの方でしたか。
さすがにきれいな写真ですね。余白が効いたすっきりとした空気感のある写真です。
フィルムで一枚一枚丁寧に切り取られた写真は、暴力的に暑いあの日とはほど遠い、静かで穏やかな色です。
作者の感性が写真に出てますね。Yさんの写真はまず構図がうまいです。
常に配置のバランスをとっているデザイナーという仕事柄でしょうが、余白の取り方が抜群です。
都市高速と交差した、チラリと見える博多ポートタワーの切り取り方が憎いですね。うまいです。
川端商店街の蛍光灯かぶりの色味をもっと調整できれば、もっと良かったと思います。緑が強かったですね。
これもフィルム特有のもので、良しとするのもいいでしょう。
またいつか素晴らしい構図の写真を見せてください。

 

【6】M.Eさん 男性(Nikon D60 / digital)

クリエイティブツアーの常連さんです。いつもありがとうございます。
視点採集も2回目のご参加。写真についてはもうベテランです。
今回、視点採集用と趣味用の2種類の写真を撮り分けるというスゴ技を繰り出していらっしゃいました。

〈Eさんの視点〉
テーマは「色」。
今日は天気も良く、強い光のもとで撮るというシチュエーションが分かっていたので、
色に着目して撮りました。
特に色と色のコントラストの面白さなど。

〈感想〉
ただ「良いな」と思って撮る写真と、見せるつもりで明らかに狙った写真と、
両方を並行しながら撮ったので、ものすごく疲れました(笑)。
でも、意識の中で「こういうテーマで撮るぞ」という意志を持ちながら、
同時にインスピレーションでパッパッと見た瞬間に撮ることは
それはそれで、ものすごく楽しかったです。

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〈石川の講評〉
いつもうちのイベントに参加してくれるEさん。ありがとうございます。^^
事前に天気が晴れという情報もあり、迷いなく撮り始めたEさんの視点は、晴れならではの“色”。なるほど。
色の切り取り方もバラエティに富んでいて、これどこ?というものもありました。
同じところを歩いているはずなのに、こういうところが面白いですね。
同時進行でもうひとつの視点も採集していたとのこと。き、器用な…。
逆光気味に撮られた蟬の脱け殻が光っているのが、抜け殻なのに命があるようですね。
他の写真も安定した構図と素直な場の色で見やすかったです。
Eさんの写真はFacebookでもよく拝見しますが、目線が素直で写真が真っすぐな印象です。
人柄も写真に出るんだなぁと思います。(う、俺のはひねくれてる…)

 

【7】M.Yさん 女性(Canon EOS Kiss /digital)

Fさんのお友達。もともと写真を観たり、撮ったりするのが好きだとのこと。
自分の視野やアイディアの幅を広げたいと、ご参加くださいました。
撮影に真摯に取り組まれている姿が印象的でした。

〈Yさんの視点〉
いつまで経っても、なかなかテーマが定まりませんでした。
自分が撮ってきた写真を見て「何が撮りたかったのだろう?」と考えて気付いたもの。
ひとつは「断片」。
普段の生活では、その1点だけを見るということはないだろうというような断片を撮っていました。
もうひとつは「曲線」。
気付いたら自分は曲線が好きみたいで、そういうものばかり選んでいました。

〈感想〉
テーマや意図をもって写真を撮るのが初めてのことで、
最初は本当に何をどうしたら良いのか全然わかりませんでしたが、
撮りながら見えてくるものがありました。
皆さんの色んな視点を見られて良かったですし、これからもやっていきたいと思いました。

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〈石川の講評〉
Yさん、かなり焦ってるように見えましたが、やっぱり焦ってましたか(笑)。
この視点採集、撮影枚数をできるだけフィルム1本分に、というルールを設けています。
大事に撮ることで、ものを見る目が養えるからです。それと、後で選ぶのが大変だからです(笑)。
Yさん、もうめちゃくちゃ撮ってました。。200枚くらい?
事務所で写真をセレクトする時に悩みすぎて、Chikaちゃんが後ろから「それいらない」と連呼していました。
そういう姿を見て、「今回一番いい気づきを得たのはYさんだろうなぁ~」とか思いながらニヤニヤしていました。
いや、ごめんなさい。講評します。
「断片」と「曲線」の視点が混じった写真です。断片でもあり、曲線でもあり…。
曲線のある断片ということでしょうか…。まあ、そんなことはいいとして、
普段の生活の中でその1点だけを見ることのない断片というのであれば、ベンチの背もたれの写真とかでしょうか。
へ~こうなってたんだ、と思いました。そう「へ~」と思う写真がもっと多ければ良かったですね。
途中まで視点が決まらずに、とりあえずいっぱい写真を撮りましたと言ってましたが
スタートの時に「断片」という視点をしっかり持っていたら、もっといい写真が撮れたと思います。
写真は数ではないということがわかったんじゃないでしょうか。^^
次回ぜひリベンジを!お待ちしていますよー。

 

【8】M.Aさん 男性(Rollei35 /film)

写真歴も長く、カメラにも詳しい方です。
クリエイティブツアーや写真展にもご参加いただき、
写真展では設営・撤収のお手伝いまでしてくださいました。ありがとうございました。

〈Aさんの視点〉
普段、自分が撮らないような視点ということで、
「3〜4歳くらいの男の子が、親と一緒に散歩している」という設定にし、
子供なので身長が低いから、視線も低い位置から見上げる感じで、小さい男の子が興味を持ちそうなものを撮りました。

〈感想〉
普段は白黒で撮ることが多いのですが、皆さんの写真を見ていると、色にこだわったりしていて、
カラー写真の良さを改めて感じました。
これからはカラーと白黒を半々で、涼しくなったら同じコースを、皆さんと同じテーマで撮ってみたいと思いました。

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〈石川の講評〉
今回、Chikaちゃんの写真に次いで(僕の中で)評価の高かったAさんの写真。
「ザ・子供の視点」。身長50cmくらいの子供の目には世の中はこう写っているのか、と感じる写真です。
その写真をフィルムカメラのRollei35というカメラで撮るというのも、さすがです。
このカメラはピントを距離計で合わせないといけないので、速写できません。
モチーフまでの距離を測って(見当)、カメラのレンズを回して距離を設定して撮ります。
面倒くさいんです。なので、ミスってボケます。Aさんの写真もわりとボケてます(笑)。
それが素敵です!自分が子供にもどって世の中を見てるようです。
それを思い出しているようなノスタルジックな雰囲気です。完璧にいいなぁと思いました。
カメラのベテランのAさんがしゃがみ込んで、手のひらサイズのまるで盗撮カメラのようなカメラで
汗びっしょりになりながら撮っている姿を見て、「ああ、子供だ」と思いました。
かわいいシロクマ人力車も子供にはこんなに凶暴に見えるのかと面白かったです。
おみくじを結ぶところが子供には高いんですと、子供の視点を説明してくれた、その写真の奥に
赤い超ミニをはいた若い外人さんが写っていたのは、大人の視点が混じったようでした。
Aさん~。この写真撮っている光景はヤバかったよ~。逮捕者がでるよ~(笑)。
いや、それは別として、Aさんの写真とっても素敵でしたよ!

 

【9】N.Eさん 女性(KLASSE S /film)

ALBUS×F_d写真教室の卒業生で、今年の池島レトログラフィにもご参加いただきました。
生年月日が私と全く一緒ということで、勝手に運命を感じております。
(すみません、どうでもいい情報でした。)

〈Eさんの視点〉
最初はなかなかテーマが決まらず、何枚か撮るうちに定まったテーマは
「光が映っているところ・光が感じられるところ」。

〈感想〉
きっと皆さんの面白い視点が見られるだろうと思っていましたが、本当に期待を裏切らない感じで、
すごく勉強になり、刺激を受けられました。
こういう撮影会でしか出来ないような経験、写真の撮り方があるなぁと思いました。
それが一人でも出来るようになったら良いなと思います。
自分がいいなと思ったものを実際にそのように撮るのは勉強しないと難しく、
失敗も含めて良い経験になりました。

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〈石川の講評〉
Eさんの写真は繊細です。注意深く観察してしっかりとシャッターを押した、そんな感じが写真から伝わります。
ふだんEさんの話す言葉も、思いつきではなく、一度頭で整理されたような矛盾のないわかりやすい言葉です。
これらの写真を見ると、Eさんらしい写真だなぁと思います。重ね重ね、人柄って写真に出るんですよね。
この日のさまざまな光の表情を切り取った写真。好きな写真が何枚もあります。
今回の一番人気のフェンスの緑のボケが映り込む競技場の写真。
博多ポートタワーの足下がエッフェル塔のようで、ちょっとフレンチな感じがしました。
誰ともかぶることのない一枚でした。こんな感じに撮れるんですね。素晴らしいですね。
僕はエスカレーターの写真が好きです。
写真の中央右あたりにプリズムが写っています。追っていた光を捕まえたようです。
ほかにも角度が変わればこんな風に見えるのかという気づきのある写真もあり、
みなさんにとっても勉強になったのではないかと思います。
また素敵な写真を見せてください。ありがとうございました。

 

【10】スタッフ林 女性(Nikon FM2 /film)

恥ずかしながら、わたくし林の写真です。

〈林の視点〉
自分が面白いと思うカタチを採集しようと思い、形状に着目して撮りました。
博多感はゼロです。

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〈石川の講評〉
さて、お次は視点採集スタッフの林の写真。
いや、正直にすごくうまくなったなぁと思うんですよね。ほんとに。
最初の頃(カメラ持ってすぐくらい)は花とかばっかり撮っていたので、
もう少しほかの撮れないの?とか言ってたんですが、もうかなり良くなったと思います。
写真の技術もさることながら、構図もうまくなってきたし、観察力もいい。
この写真たちも、へ~これどこ?と思うような場所を切り取っていて、やられたなぁと思いました。
36枚できっちりおさめるのも、うんバッチリだよ!この調子で撮っていけばかなりうまくなるよ。
あとは、自分の中から湧いてくるテーマが見つかれば創作活動ができるよ。
そうなったらもっともっとうまくなっていくと思うよ。

 

【11】石川 博己 男性(Canon 5Dmark2 /digital)

ラストを飾りますのは、講師の石川の写真です。

〈石川の視点〉
テーマは「光と影が醸し出すコントラスト」。
時には影だけだったり、影に見えるようなものだったり。
そして、そこに「博多らしさ」が感じられるもの。

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〈石川のコメント〉
僕も皆さんと一緒に撮りました。
自分の写真についてのコメントは特にないです。なんて書いたらいいか…。汗
割とふつー、と言うような声が聞こえてきそうですが、こんな感じです。
これからも日々精進してまいりたいと思います。
ありがとうございました。