Issue 2023.12

Issue 2023.12

デザイン塾で制作する、テーマ自由のオリジナル冊子。受講生4名の学びの成果をご紹介。

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2015.2.12

西新コラム| 高取焼・味楽窯

西新商店街から紅葉八幡宮へと向かう途中、住宅街の一角に高取焼の窯元「味楽窯」はあります。
一歩足を踏み入れると、静かでしっとりと美しい庭園。そして圧巻の登り窯。
まるで別世界のようです。

400年の歴史を持ち、地名の由来ともなった「高取焼」。
16世紀、天下統一を果たした豊臣秀吉の朝鮮出兵の折、
福岡藩の藩祖・黒田官兵衛と初代藩主の長政父子が朝鮮から八山という陶工を連れ帰り、
1606年に鷹取山(直方市)の麓に窯を開かせたのが高取焼の始まりです。
その後、窯の場所を移していったため、現在の直方市、宮若市、岡垣町、嘉麻市、飯塚市、福岡市と
広範な地域に渡って焼かれることとなりました。
黒田藩の御用窯として栄え、徳川将軍の茶道指南役を務めた茶人・小堀遠州の指導を受けて
茶陶・高取焼として名を高めます。
18世紀の初頭、味楽窯は現在の場所に窯を移しました。

西新Column:高取焼・味楽窯 西新Column:高取焼・味楽窯 西新Column:高取焼・味楽窯 西新Column:高取焼・味楽窯

敷地内には高取焼の陶芸美術館として「味楽窯美術館」が併設され、
古陶磁から現代陶芸までが展示されています。
高取焼の特徴である、七色の釉薬を用いた趣のある色合い。
陶器でありながら、まるで磁器のように薄く軽く作られた繊細な美しさ。
伝統と技術に裏打ちされた素晴らしい作品の数々を、ぜひ観賞してみては。

高取焼・味楽窯
福岡市早良区高取1-26-62
*味楽窯美術館 開館時間10:00~17:00 休館日 日曜・祝日 入場料 無料