フランスのアンティークに影響を受けたアクセサリーは、日仏の架け橋。
アンティークレースやボタン・ビーズなどを組み合わせた、繊細で気品のあるデザイン。フランスの素材で作られるアクセサリーはどこか和のテイストが感じられ、アンティークレースと着物の古布を組み合わせたヘッドドレスやかんざしなど、和装の時に付けられるものも多い。その独特のセンスは、フランスと日本、二つの世界観が融合して生み出される。「アクセサリー制作はパリへ留学した際に学びました。最初は帽子作り。日本へ戻って来てからも何度もパリへ渡り、彫金やフランス刺繍、七宝などのアクセサリーにまつわることを学びました」。現在は年に1度フランスへ渡り、仕入れたアンティークレースやビーズで制作を行っている。「最近びっくりしたのは、男性が私の作品を手に取ってくれたこと。男性にも身に付けて頂けるなんて、今までになかったことなので嬉しかったですね。これからも日本とフランスの架け橋としてアクセサリーを制作し、色んな人に身に付けて欲しいです」。フランスや日本で長い時を過ごした素材たちは、小笠原さんの手によって新しく生まれ変わり、知らない誰かの手に渡る。アクセサリーを通して人と国とを繋ぐという想いを胸に、日々素敵なアイテムが生み出されている。
アクセサリー制作の材料や道具が所狭しと置かれたアトリエの作業台。
制作に使用する色とりどりの刺繍糸。
コサージュ制作の様子。木枠に張られたレースにコサージュの下絵を描き、小さなビーズを繊細に刺繍していく。
ぎっしりと並べられたビーズやレースなどの材料。パリで仕入れるため、購入した材料が次の仕入れの時にあるとは限らない。特にアンティークものは、一期一会であることが多い。
Profile
- 小笠原里香(おがさわらりか)
- 98年にフランスへ留学し、アクセサリー作りに関することを学ぶ。現在は展示会に向けて、制作の日々を送っている。◎取扱店 Simply Red、 Lugclassic 、 MAGNOLIA (福岡)、da Stella Cadente (熊本)など。
写真=石川博己 文=原口昌子