田川市石炭・歴史博物館にて復元されている炭鉱住宅には
当時の暮らしが垣間見えるセットがあり、近づくと田川弁で声をかけてくれます。
入館料は210円ですが、ゆっくりまわるとゆうに1時間はかかりそうなくらい、館内の資料は充実しています。
山本作兵衛氏の炭鉱絵画は、当時の過酷な坑内労働と人々の暮らしを忠実に描いていて、
その描写もさることながら、その時代においてこの色彩の豊かさにも驚かされます。
ぜひ一見の価値ありです。
炭鉱住宅では家賃は無料、光熱費や燃料である殻も格安だったといいます。
家にお風呂やトイレはなく、共同浴場(銭湯)や共同トイレ。
炭鉱に従事する人たちは同じ屋根の下に住み、同じ暮らしをしていたので
隣と関わるご近所づきあいも自然に生まれます。
“同じ釜の飯を食う”感覚のこの炭鉱住宅の暮らしは、
危険と隣り合わせの坑内作業において、
仲間意識を高める上でも重要だったのかもしれません。
一日一日を生き抜いた人々の暮らしがまぶしいです。