Issue 2023.12

Issue 2023.12

デザイン塾で制作する、テーマ自由のオリジナル冊子。受講生4名の学びの成果をご紹介。

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2011.11.13

屋久島宮之浦岳縦走二日目。

うとうとしたかと思うと、もうゴソゴソと動き出す人がいた。
時計を見ようとiPhoneを取り出すと、なんと電池が切れている。
昨日の朝満充電して小屋に着いたときもたっぷりとあったのに…。
WiFiをONしてたからか、基地局を探して疲れたか。機内モードにしておけばよかった。
それにしても使えない。携帯の役目果たしてないんじゃないか。

横の人も起きて仕度を整え始めた。時刻を聞くと朝の3時だという。
もう活動か?…早い。
隣の女性2人のうち一人は登山中に膝を壊したらしく、早めに出るという。
立つのもしんどそうなので、よければ下まで荷物を持とうかと尋ねるとできればそうしてほしいとのこと。
シェラフを預かった。わりと重い。#0なので500gはあるだろうか…。
同行の女性と膝の悪い彼女の荷物を少しずつ分担してもってあげた。

ぞくぞくと起きて用意をしだした。
小屋が狭いこともあって、みんな早く出たいみたいだ。
ヘッドライトをつけてつぎつぎに小屋を出て行く。
僕はライトを持っていないので、もう少し明るくなってから出ることにする。
5時を過ぎる頃には小屋の中は数人のみになっていた。
僕ももうすぐに明けそうなので、出発することにする。
濡れたソックスを履き、濡れた靴に足を通す。気持ち悪い。
気持ち悪いのも一瞬で、歩き出せばもうどうでもよくなる。
ザックが乾いてるので軽いはずなんだが、シェラフを持ってあげているので変わらない。

今からはひたすら下り道なので楽だ。と思ったら滑る。
用心しながら地道に下っていく。空も明るくなってきて、手に持っていたランタンの明かりも必要なくなった。
下りで両手がふさがっていると怖い。左手が解放されたので安心だ。

帰りは縄文杉を過ぎ、ウイルソン株を過ぎ、トロッコ道に出る。
荒川登山口までトロッコ道を歩いて行くのは退屈なので、楠川分かれから白谷雲水峡に出ることにした。
楠川分かれでシェラフを一足先に出発していた膝を壊した連れの女性に渡す。
待っていたようだ。彼女は後からゆっくりやってくる膝を壊した女性を待つらしい。
途中で追い抜いたが、あのペースでちゃんと下山できるのだろうか…。
心配だがこのルートは人通りが最も多いから、最悪ガイドさんが助けてくれるだろう。

帰りの道中は水場がいくつもあるから、水筒に水をたっぷり入れておかなくていい。
楠川分かれから白谷に行くまでの登りがきつかった。これは本当にきつかった。
しかし、このルートの森や苔むした石段の階段など、景色はすばらしかった。
ぜひまた天気のいい時に歩いてみたい。
途中食事をとって(例によってまたカップラーメン)何事もなく白谷雲水峡に出る。
最後は楠川歩道を通ってちょっと遠回りして下山した。

白谷雲水峡からバスに乗って宮之浦まで。乗り継いで安房にある宿まで帰った。
下山する頃には雨も上がっていて、ムシムシしていた。11月とは思えない温度だ。

これで僕の初の山岳山中泊縦走は終了した。
身体が痛く疲労困ぱいだが、バスに揺られながら最高の充実感を味わう。

面白かった。

宿に帰って風呂に入り、アイスクリームを2個食べる。
例によって「かもがわ」に行き定食とビールを飲む。
ものすごくうまい!

最高だよ。

写真はEOS 5D Mark2+35mm :F2.0で撮影。今ごろ活躍。