Issue 2023.12

Issue 2023.12

デザイン塾で制作する、テーマ自由のオリジナル冊子。受講生4名の学びの成果をご紹介。

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2011.11.9

屋久島宮之浦岳縦走一日目。その1

昨日飲んだお茶が響いてまったく眠れない。
タクシーは4時10分着く予定。結局まったく眠れず3時半に。一睡もできずに登るハメになるとは。
昨日(3日)も朝が早かったので5時半には起きていた。ちょっとナチュラルハイ気味。

どうも雨が降ってるっぽい。風もあるっぽい。なんてこった!
着替えて支度をして1階に降りてみるとやっぱり降ってる。
それでも4人組のパーティーはけっこう明るかった。友達4人で登れば雨でも楽しいよな。
始めての縦走だったので過酷なのは嫌だなと思い、一瞬行こうか行かないか躊躇したが、“これも自然”と思い行くことに。
タクシーにぎゅうぎゅうに乗り込み淀川登山口へ。
およそ1時間ほど真っ暗な山道を走り到着した。雨は止むどころかさらに勢いを増していた。
タクシーに乗り込む前にちゃんとザックにザックカバーを掛け、ヘッドライトを装備しておくべきだった。
タクシーから降りると雨をよける場所が小さなトイレしかなく、すぐに登り始めるしかないからだ。

僕はザックカバーもヘッドライトもまだ準備してなかったので、あわててトイレに入った。

あれ。あれ? あれれ?
ヘッドライトがないぞ!

ザックの中、手を突っ込んで探すが見つからない。
前の晩にきちんとパッケージしたザックの中をひっくり返して探してもないのだ。
僕と一緒に来た4人組パーティーや、次から次へと来る登山者はヘッドライトを装備し足早く森の中に消えていく。

なんてこった…。

焦る。

散々探してもないのであきらめてランタンを方手に行くことにした。
これが、やはりランタンでは先を照らすには力がなく暗い。見えないのだ。
花崗岩の上に根を張る屋久島特有の登山道で足下が見えないというのは怖い。
何度もつまづきながら、でも少しでも前に進んでいないとただ濡れるだけだし、
ここで遅れたら山小屋に入れないかもしれない…などと考えながらひたすら暗闇の中を歩いた。
テントは持ってきたが、この状況でテントを張るにはおっくうなのでできるだけ山小屋に入りたい。
すぐにいっぱいになるという山小屋に、なんとか滑り込みたいのでここで遅れるわけにはいかないのだ。

荷物は重かった。が、もう登るしかないと開き直ったらわりと平気になってきた。
歩き方がうまくなったのだろうか。横ブレなく重心が安定してきた。
小一時間ほど歩いていると次第にあたりが明るくなってきた。もうランタンの明かりなしでも十分先が見える。

ペースを上げるぞ!

淀川小屋で先陣のパーティーが休憩して朝ご飯を食べていた。
そんなにお腹は空いていなかったが少しでも荷物を軽くしたいので食事をとることにした。
お弁当屋さんで頼んでいた2つのお弁当のひとつを食べる。
食べたらすぐスタート。まるで軍隊だな、と思う。

雨でザックが水を吸ってますます重くなっていく。さっき食べた弁当分くらい水を吸ってるんじゃないだろうか。
こんなに重くなるんだ、と思った。それをふまえて水を吸わないザックがあるとすれば選べば良かった。
ゴアテックスのジャンパーとパンツのおかげで雨は滲みないが、内側からの汗でもうぐっしょりになった。
外が晴れていれば汗を発散してくれるのだろうが、こうも湿度が高いこもる。
11月の登山なので寒いかと思ったが、今回の屋久島登山は非常に温かかったというより、むしろ暑かった。

雨の中でも幽玄な花之江河を過ぎ、黒味岳分岐を過ぎ、投石岳、安房岳、翁岳、栗生岳と順調に高度を稼いでいく。
晴れていれば黒味の分岐でリュックをデボし、登頂したかったが、今回はちょっと焦っていたのでパスした。
黒味岳には次回また来よう。その時晴れていることを祈る。

宮之浦岳がようやく見えてきた。ここまで長かった。きつかった。

その2につづく〜。
写真はiPhone4sで撮ったもの。もうコンパクトデジカメはいらないね。あと、これで露出を計るアプリでないかな。