Issue 2023.12

Issue 2023.12

デザイン塾で制作する、テーマ自由のオリジナル冊子。受講生4名の学びの成果をご紹介。

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2011.7.12

地域交流センター 津屋崎ブランチ



主役は町と人。4人の若者から広がる津屋崎の町おこし。

 博多から車で約1時間。昔ながらの瓦屋根が立ち並ぶ津屋崎には潮の香りとゆっくりとした時の流れが漂っている。2009年夏、そんな津屋崎の町おこしのために「津屋崎ブランチ」は結成された。「この町の人の何気ない日常こそ、私たちにとっては魅力的なんです」。メンバーは全国から集まった4人の若者たち。津屋崎へ移住し、生活を楽しみながら町の魅力を発信していく。「ゲストを招かなくても、町の人みんなで輪になれば十分話し合いは盛り上がるんです」。お喋りの中に隠されたヒントを彼らは見逃さない。町の人がやってみたいことや興味があることを汲み取って、機会を作りきちんとサポートする。「津屋崎ブランチ」が軸となるのではなく、主役である町の人々の背中を影でポンっと押してあげることが彼らの役目。「津屋崎の住人がもっと増えてくれれば嬉しい。そうすれば活気が出て町も喜ぶと思うんです」。赤ちゃんの泣き声、すれ違いざまの挨拶。人が増えれば音が増える、音が増えれば町も人も喜ぶ。この幸せの連鎖を紡ぎ続けるため、4人の若者たちは今日も人々の声に耳を傾ける。全員で横に並び、わいわい楽しみながら行う町おこしは津屋崎に人と笑顔をもたらし続ける。

津屋崎の暮らしを肌で感じられるよう、古民家をゲストハウスとして再生予定。

会議室での3つの決まりごと。過去に執着せず未来を見据えることで、前向きなアイデアが生まれるのだと。

町の人との味噌作り。小規模のイベントを通して人と人のネッワークを広げていく。

津屋崎の四季を綴ったリトルプレスも制作。津屋崎ブランチで販売されている。

Profile

地域交流センター 津屋崎ブランチ(つやざきぶらんち)
住/福津市津屋崎4-15-17 問/0940-52-5760
http://1000gen.com

写真=松本恭尚 文=永溝直子