永遠に咲き誇るアートフラワーを届けたい。
花びらの風合い、葉や茎のグラデーション、そして花粉のつき具合まで。本物と見間違えるほどに細部にわたってリアルに作られた“アートフラワー”という造花を使って、ブーケやアレンジメントを手掛ける「HANANOBORI(はなのぼり)」のあずまなおみさん。「もともと花屋に勤めていたんです。独立後ブライダルの会場装花やブーケを製作していたんですが、しばらく仕事をお休みして。再開する時にやっぱり花の仕事がしたいと思いました」。その時、ブライダルで取り扱うことが増えていた造花に魅力を感じてアートフラワー専門でやっていくことを決めた。「アートフラワーの魅力は、茶色のバラやグレーのガーベラなどに見られる独特の色合い。季節を問わないので、生花では難しい花の組み合わせも可能です。デザインにこだわって、時間をかけ丁寧に作れることもひとつの魅力ですね。ずっとそのままの姿で飾っていられるから、花を贈られた方にも喜んでいただいています」。自宅のアトリエではウェディングブーケやインテリア用のアレンジメントをメインに製作している。造花のイメージを変えるアートフラワー。可憐で繊細な美しさを残したまま、いつまでも咲き誇る。
造花のチープなイメージを払拭したいと、色選びや組み合わせを慎重に決めて丁寧に作る。
洋服やカバン、髪にもつけれるコサージュも製作。
花材は仕入先で1本1本手に取って、気に入ったものだけを選ぶ。
日によっては収穫のない日もあるが、こまめに通っていい素材だけを集めている。
Profile
- あずまなおみ
- ’90年から花の仕事をはじめ、’94年に独立しブライダルの装花などを手掛ける「花のぼり」として活動していたが、’09年4月にアートフラワー専門の「HANANOBORI」を立ち上げる。造花を使ったブーケやアレンジメントはネットでも購入できる。
http://www.hananobori.jp/
TEXT=生野朋子 PHOTO=石川博己