Issue 2023.12

Issue 2023.12

デザイン塾で制作する、テーマ自由のオリジナル冊子。受講生4名の学びの成果をご紹介。

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2011.3.28

フェルト作家=櫻木鈴凡さん

フェルト作家=櫻木鈴凡さん

無心でゴシゴシ・チクチク、できあがるのはぬくぬく温かなフェルト雑貨。

オブジェにアクセサリーに、ポーチに帽子。フカフカのルームシューズもあれば、一輪の花が咲いたボールペンまで!フェルト作家の櫻木鈴凡(すずな)さんは羊毛を使って様々な作品を生み出している。「フェルトで小物を作っていた叔母から、ある日羊毛がどっさり届いたんです。高校3年生の時だったんですが、なんだか可愛いなぁと思って、自己流でチクチクやってみて。大学では日本画を専攻してたんですが、学生の間もずっと作っていましたね。たまった作品でグループ展も開催しました」。多くの作品は動物や花、人をモチーフに。そのデザイン、色合いはひとつとして同じものはない。「今は東京や福岡のお店に卸しています。“こんな色で”とか“レースを使って”とか、細かいオーダーも受け付けてますよ。お客さんのほとんどは女の子なんですが、ある時男の子が動物のバックを買ってくれたんです。その場で身につけてくれて、帰ってからお便りもくれたんです。それが縁でその子の両親がやってる喫茶店で展示をさせてもらったんですよ」。その温かな手触り、元気をくれる鮮やかな色、そして独創的なデザイン。櫻木さんが作るフェルト雑貨には、お持ち帰りしたくなる魅力があふれている。

フェルト作家=櫻木鈴凡さん

人魚のお人形。一つひとつ表情が違うのは手づくりならでは。しっぽを外すと足が出てくる。

フェルト作家=櫻木鈴凡さん

大きなお花がついたボールペン。個性あるデザインが櫻木さんの作るフェルト雑貨の人気のポイント。

フェルト作家=櫻木鈴凡さん

手触りの優しい作品の数々。

フェルト作家=櫻木鈴凡さん

文原毛を石鹸水でこすることで、繊維が絡み合いフェルトになる。時間を短縮できない作業なので、無心でゴシゴシこする。やり直しがきかないため、色の組み合わせなど慎重に決めていく。

Profile

フェルト作家=櫻木鈴凡さん

櫻木鈴凡(さくらぎすずな)
10年前からハンドメイドフェルト制作を開始。東京のアートイベント「デザインフェスタ」に出店したことをきっかけに販売店を拡大。年に1度、作品展も定期的に行っている。◎取扱店/ライチ渋谷、ライチ福岡、Peche(下北沢)、にじ画廊(吉祥寺)、Nanda Devi(福岡市)など

写真=石川博己 文=生野朋子