Issue 2023.12

Issue 2023.12

デザイン塾で制作する、テーマ自由のオリジナル冊子。受講生4名の学びの成果をご紹介。

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2011.3.28

フランスレコード収集家=渡邊謙治さん

フランスレコード収集家=渡邊謙治さん

世界に発信する、不朽の音と物語が詰まった珠玉のコレクション。

「子どもの頃から祖父の家で古いものに囲まれて育ったんです。古新聞を切り抜いたり、ミニカーを集めてみたり、コレクション癖は昔からあったんですよ」と話す渡邊謙治さんのその手には、60~70年代のフランスのレコード。「今はこれに夢中です」。2000枚ほど所有するレコード群、コレクターにとって数はさほど多くはないそうだが、“これは!”と思えるものだけを丹念に集めてきた。そして毎日のように、ブログでお気に入りの1枚を紹介している。「自分の世界に浸るんじゃなくて、発散の場としてブログをはじめたんです。結構マニアックな内容だと思うんですが、今では20ヵ国以上の人がブログを読んでくれています。世界中から反応があって面白いですよ」。モノは朽ちてしまうけれど、その裏側にある物語は色褪せない。音楽を聴いて楽しむだけじゃなく、そのレコードを見つけるまでの道筋、ジャケットの斬新さ、そのミュージシャンにまつわるエピソード。音以外の価値も渡邊さんをかき立てる。「店を開いて売ってみたいとも思うんですが、でもまだ手放せないなぁ。このコレクションがいつか思い出になるまでは」。渡邊さんに見い出された宝物。今ここにいることを誇らしく思うことだろう。

フランスレコード収集家=渡邊謙治さん

長年集められたレコードが棚にびっしりと入っている。

フランスレコード収集家=渡邊謙治さん

その音楽が生まれた現場でレコードを探すのが好きで、海外のサイトから取り寄せたり、フランスまで足を運ぶことも。

レコード以外にもあちこちに並ぶミニカーやノベルティグッズなどのコレクション。

フランスレコード収集家=渡邊謙治さん

音響にもこだわりをみせる渡辺さん。

フランスレコード収集家=渡邊謙治さん
マニアをうならせる収集歴20年で集められた名盤の数々。フランスのマニアなレコード店の話、プレミアな1枚、大好きなアーティストを出待ちしたこと…音楽と共に一つひとつの物語を楽しげに聞かせてくれた。

Profile

フランスレコード収集家=渡邊謙治さん

渡邊謙治(わたなべけんじ)
本業は某クリエーター人材会社のエージェント。レコード収集歴は20年で、ここ10年くらいは60~70年代のフランス音楽への傾斜を深め、現地で散財したことも。天神の「La Boheme Qualita」にてDJもつとめる。
http://silentapop.cocolog-nifty.com/

写真=石川博己 文=生野朋子