Issue 2023.12

Issue 2023.12

デザイン塾で制作する、テーマ自由のオリジナル冊子。受講生4名の学びの成果をご紹介。

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2011.3.30

帽子作家=原恭子さん

帽子作家=原恭子さん

なによりも帽子好き。日々新しいスタイルを模索中。

一目見ただけで、思わずくすっと笑みがこぼれる個性的な帽子。原さんの作品は干支や昆虫をモチーフにした、ユニークなデザインが特徴だ。「帽子は機械で作るものとばかり思っていました。人の手で作れると知った時は驚きましたね」。洋服でもアクセサリーでもなく“帽子”に興味があった原さん。短大卒業後、働きながら帽子の専門学校へ入学し帽子作りのノウハウを学ぶことを決めた。勉強に励む中、帽子と向き合い続け気付いたのは、ユニークな形の帽子は人を笑顔にするということ。その時、人を楽しませる作品を作り出すことが原さんの帽子制作の大きなテーマとなった。「初めて会う人同士でも、帽子がきっかけで話が弾み、仲良くなってくれたら嬉しいですね」。ついじっと見つめたくなるような、面白くて、楽しくて、新しい帽子。そこから広がる話題で人と人とが繋がっていけば、と原さんは語る。実用的な役割だけでなく、コミュニケーションのきっかけという役割も託しているのだ。「街ゆく人全員が帽子をかぶっている光景を見てみたいんです」。帽子が人々の暮らしに欠かせないものになり、個性的で色鮮やかに街を彩る時代を夢見る。今までにない、新しい種類の帽子を作りたいという使命感を持ち、従来の帽子へ真っ向から挑んでいく原さん。帽子に注がれる真摯な眼差しは、日々おしゃれと楽しさを追求し続ける。

帽子作家=原恭子さん

サイドに手のモチーフが付いた帽子。メガネをかけるとまるでメガネを持っているように見える。

帽子作家=原恭子さん

M・ジャクソンへのオマージュとして制作した「エナジーマキアージュ」。

帽子作家=原恭子さん

既存のスタイルにとらわれず、個性的でユニークな発想のもと、丁寧に仕上げられた帽子たち。

帽子作家=原恭子さん

落ち着いた光が射す店内思わず被ってみたくなる帽子が。色とりどりでどれも魅力的だ。

Profile

帽子作家=原恭子さん

原恭子(はらきょうこ)
福岡生まれ。2006年エナジー帽子店オープン。2007年~2008年にかけBONPEI MODELが国立新美術館の“SFT”に並ぶ。最近はリサイクル生地でのオーダーや障がいのある方々との帽子制作のコラボレーション等に挑戦中。
問/092-791-9540

写真=高松達樹 文=永溝直子