【6】A.Gさん 男性(SONY α7II /digital)
〈A.Gさんの視点〉
田川での視点採集が決まった時に、事前に地図を見ていて、
山に囲まれたところだと思ったのが第一印象でした。
「囲まれている」の「囲い」には、「中のものを守る」という意味があります。
当日訪れて、山が街を守っている場所だと感じましたので、
視点を「囲い」にして、山や木・壁が囲っている写真を撮りました。
採集をスタートして、一番に訪れた風治八幡宮。人に対して鳥居が囲っているイメージで撮りました。
線路の柵に囲われているように煙突を撮影。
高いところにそびえ立つ2本の煙突は、街を見下ろし、見守っているかのようでした。
商店街の壁が囲っているイメージで撮りました。
街を囲っている山を中心に撮影。山の上の雲が、ちょうど煙突から煙が出ているかのように見えました。
昔、炭鉱住宅があった場所での一枚。建物がいくつも重なり、囲っているようです。山も入れて撮りました。
トンネルから外を撮りました。全部で4~5か所トンネルを回るほど、田川にはトンネルが多かったです。
商店街から入った路地を撮りました。こういった細い路地もいくつもありました。
いくつもの重なり合う山々が、街を囲ってるイメージで撮影。
油須原駅で撮りました。無人駅ということで誰もいないところを撮りました。
神社の上から撮影。(後で調べたら秋葉神社というところでした。)
普段、階段がある神社は見上げて入っていくのですが、ふと後ろを振り向くと、
木が囲っていて雰囲気が良かったので撮りました。
〈A.Gさんの感想〉
今回は初めての視点採集ツアーの参加でした。
視点を決めるのに、かなり悩みました。
他の参加者の発表では、自身にはない視点ばかりで、
同じ視点・テーマでも捉え方が全く違う写真になり、驚きました。
今まで感覚のみで撮っていたところがありましたが、何を撮るかを改めて意識的に考えるようになりました。
また次は違った場所・視点でチャレンジしてみたいと思います。
今回はありがとうございました。
〈石川の講評〉
初めての参加ということで、事前にテーマを3つくらい用意して臨んだという今回の視点採集。
撮影開始20分で2つのテーマを断念したそうで…。最後に残ったテーマ「囲い」の写真はいかに。
山に囲まれているという田川は、そう盆地なんですね。
僕は22歳まで田川で育ちましたので、この盆地がもたらす「夏暑くて冬寒い」という気候が嫌でした(笑)。
Gさんの視点を借りて言うならば「過保護すぎて暑苦しい」というやつでしょうか(笑)。
暑苦しい田川というイメージで、僕はGさんの発表を聞いていました。
まず、写真がいいですね。少し重めの、僕の好きなトーンです。
「線路の柵に囲われた煙突」の写真は、柵のシャドウが左右を締めていて竪坑にぐっと目がいきますね!
ローアングルの視点もいいです。写真うまいですね!さすがデザイナーさんです。
すべての写真に絶妙なトーンとトンネル効果的なインパクトのある構図で、作品性もある写真でした。
5枚の団地の写真ですが、僕が子供の頃はここは炭鉱住宅でした。
階段状の土地に何列も炭住が連なっていて、
夕方になると玄関前で魚を練炭で焼く煙がところどころに上っていました。