Issue 2023.12

Issue 2023.12

デザイン塾で制作する、テーマ自由のオリジナル冊子。受講生4名の学びの成果をご紹介。

Read

editF_d

2020.2.12

Report: Creative tour 波佐見 〜写真教室編〜(参加者の発表) 5/9

M.Aさん

camera: Leica Ⅲf / ROLLEICORD / SONY RX100

今回、撮りたいと狙っていたのが、町内の至る所にある陶器の飾りに光が反射して、キラキラと輝いている様子。ただ、撮影意図に反して今日は雲が多く、なかなか太陽の光が差さなかったので苦労しました。
その陶器を作った人の想いや、このまちに住んでいる人たちが小さい頃から目にして「綺麗だな」と楽しんでいる姿などを想像しながら撮りました。

*当日の発表はデジカメ撮影分(SONY RX100)。4・5枚目はフィルムの写真も参考として下に並べて掲載。

(1枚目)中尾山の橋の欄干の、桜が描かれた陶器の飾りです。桜が咲いていない時でも、ここで常に満開の花が人々の目を楽しませていて、さらに桜の季節には、鮮やかな共演を見せてくれるのだろうと想像して撮りました。

(2枚目)子どもが喜びそうな、かわいらしいウサギの絵が描かれていました。ちょうど目線の高さに陶器の飾りが来る子どもたちは、一つひとつの絵を見ながら楽しんで歩くのではないかと、その様子をイメージして撮りました。天気の良い日は、たくさん並んだ陶器に光がキラキラと反射して、まちを明るくしているんだろうなと思います。

(3枚目)街中では地域の景観づくりのために植えられた街路樹や道路脇の花壇などが行き交う人々の目を楽しませていますが、ここでは陶器に描かれた草花が、その役割も果たしているようだなと思いました。

camera: Leica Ⅲf

(4枚目)花が描かれた陶器の奥には本物の桜の木があって、この地域一番のお花見スポットじゃないかなと想像しました。

camera: ROLLEICORD

(5枚目)やきもの公園にあるトイレの壁を撮った写真です。この丸い部分が陶器でできていて、光が入ると陶器に反射して、とても綺麗なので、きっとトイレも綺麗に使おうという気持ちになるだろうし、これがあるおかげで明るい雰囲気にもなるので、素敵なアイデアだなと思いました。

~石川の講評~

写真を撮るワークショップに何度も参加してくれているM.Aさん。
いつも、その想像力や観察力に驚かされます。
今回も、桜が咲いている季節だったら「子供たちがこれを見たら?」など、目の前にあるわけではない光景(しかし、きっとある光景)を想像して写真に収めています。
またまた感服いたしました!
当日の発表はデジカメの写真でしたが、後日送っていただいたフィルムの写真も良い感じでした。

~他の参加者からの感想~

・私は、その場所にどんな木が生えているのかに注意を払って見たことがなかったので、植物にまで目を向けて撮影されていて、すごい観察眼をお持ちだなと思いました。

・M.Aさんに教えてもらって、私もこのトイレの壁を撮りに行きました(笑)。万華鏡みたいで、光の感じが面白いなと思いましたし、そういうところを見つけられるのもすごいなと思いました。

・陶器をじっくりと入念に見て、しかもそこから背景まで想像して撮られている姿勢に感心しました。

・まちに飾られた陶器に物語を見つけている、その「モノの見方」がとても美しいなと感じました。

・同じように橋の欄干を撮っていても、自分はかなり寄って撮っていて、M.Aさんは引いて背景の桜の木まで一緒に撮られていて、いろんな視点があることが面白いなと思いました。

・5枚目の写真、正方形に切り取られていることとも相まって、すごく格好良いです。

・作った人と、使う人やそこを通る人たちのこと、両方を考えて写真を撮れるということが素晴らしいと思いました。

(波佐見空き工房バンク・福田さん)中尾山の欄干の陶板は何度も見ているものでしたが、何気なく眺めることと、どのような思い出描かれたか想像しながら見るのとでは大きく違うなと感じました。陶板のデザインをコレクションしてみたいです。
そして、4枚目に写っている桜は本当に綺麗ですよ。春に中尾山では桜陶祭というイベントが開催されて、たくさんの人が窯元巡りを楽しまれます。その時期にはまた違う景色が見られると思うので、ぜひ桜の季節にも来てください。