2018年2月25日(日)。
モニターツアーとして視点採集「平成筑豊鉄道」編を開催しました。

「視点採集」とは、ひとつの視点を通して撮影をすることで、
今まで気付かなかった見方や新しい視点を蒐集しようというワークショップです。
同じ時間に同じ場所を歩いていても、参加者それぞれの視点が異なることで、全く違うストーリーが生まれます。
一緒に巡った人たちが撮った写真を見、発表を聞くなかで、
自分にはなかった新しい視点を発見できるのも、このワークショップの魅力です。

①どんな「視点」で撮るかを決めて撮影・・・
何気なくシャッターを切るのではなく、1枚1枚を大事に、意識しながら考えて撮ることで、
写真に「自分らしさ」が表れてきます。自分はこういう「情景・光・色・形状」が好きなんだと改めて気付いたり。

②写真をセレクト・・・
撮った写真の中から、自分の視点・テーマに沿った10枚をセレクトします。
ひとつの視点で撮られた写真をまとめて見せることで、テーマがより強く伝わります。

③発表・・・
写真をプロジェクターで投影しながら、どういう視点で撮ったのかを自分の言葉で発表します。
他の人が撮った写真を見ることで「こんな切り取り方があったのか!」という新たな発見や、様々な刺激も。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

今回は、田川伊田駅と油須原駅の周辺を散策しながら写真を撮り、
平成筑豊鉄道の列車を貸し切って金田駅へと移動。
そのまま列車の中で写真の発表をするという、なかなか普段では味わえない、貴重な体験となりました。
(発表時に“車掌さんのマイク”を使わせていただいたのもレア!)
ちなみに、貸切列車の行き先は「団体」になっていました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

このモニターツアーは、まちづくりや都市計画のコンサルタント会社である
ランドブレインさんとのコラボ企画で、
平成筑豊鉄道の皆さまからの多大なご協力により実現いたしました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

それでは、参加者12名の皆さんと、飛び入りで発表してくださったランドブレイン・堀口さんの
採集されたコレクション(写真と視点)をご紹介いたしましょう。
田川出身の講師・石川博己による講評(&思い出話)とともにお楽しみください。

石川のツアーレポートはこちらから!
▶︎モニターツアー視点採集「平成筑豊鉄道」編で田川へ

 

視点採集コレクション紹介

【1】M.Eさん 男性(Nikon D60 /digital)

〈M.Eさんの視点〉

視点採集に参加するのは4回目になります。
今回は「平成筑豊鉄道」編ということで、色々と予習をしたところ、かつてはJRで石炭を運んでいた鉄道が、
年号が平成に変わる瞬間に平成筑豊鉄道という新しい名に変わったというような歴史を知りました。
そこで、「時」に視点を定め、瞬間を切り取る写真の中に、時間の流れを写し込むことを狙いました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

明け方の商店街。今から起きて動き出しそうな時の流れを感じました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

もう店を閉じてしまったペンキ屋さんと、新商品を謳うコンビニの真新しい幟とのコントラストが面白くて。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

店名も剥がれ落ちてしまっている、古くて味のある建物に、PC関連ショップという新しい役目が与えられたようです。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

屋根が錆び、古い人形の飾られた昔ながらの街並みに、ぴかぴかの今風の建物がつくられていて、
時の移ろいを感じました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

クルクルと元気よく回る床屋さんの回転灯から、かつての炭鉱の煙突を臨むことで、
昔と今の両方を一枚に収めました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

結び立てのピカピカのおみくじと、その奥にずっと長い間ここに立ち続けてきた、錆びた街灯のポールとの対比。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

壁のひび割れの補修が、時の流れを刻んでいる風景。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

かつての風景と、今現在の風景が同居。古い造りの駅の中に、新しいカラーの時刻表が貼ってあります。
実は、年代物のように見える黒板の時刻表などはロケの小道具で、むしろ、そちらの方が新しいかも…という面白さ。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

屋根の裏側が朽ち、地面にバラバラと砕け落ちていました。
この場所をぐるっと囲っていたであろう、立ち入り禁止のテープすらボロボロになってしまっており、
時間の経過を物語っています。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

針金を巻き込んで?成長した樹木。この形になるまでには、長い時間がかかったのだろうなぁと感じました。

〈M.Eさんの感想〉

今回の企画も地域密着型で楽しかったです。
現地集合して行きのバスに乗らなかったからか、いつもよりは事前の情報量が少なかった気はしましたが
代わりに個人的には平鉄を直方→行橋まで堪能できて、
車掌マイクも使わせてもらって、乗り鉄としても満足です。

いろんなことが学べるのもクリエイティブツアーの醍醐味なので、
また興味深いところに連れて行ってもらえるのを楽しみにしています。

視点採集は撮ってるときのプレッシャーがすごいですが、皆さんの発表を聞くのはすごく楽しいです。
普段のツアーでも他の方が撮った写真に興味津々なので、
毎回皆さんのコメントつきでまとめてもらえると捗ります(笑

子供達も安定してきたので、また次のツアーもできる限り参加させてもらえればと思います。

〈石川の講評〉

クリエイティブツアーや視点採集に、よくご参加いただいているEさん。
いつもながら視点がはっきりしていて、説得力のある10枚です。
「時間の流れを写しこむ」という視点。
どの写真も確かに、“これまで(過去から)”と、“これから(数時間、数ヶ月先)”という時間の流れや
過去と現在の対比を感じさせる写真になっています。
こういう視点でなければ撮らないであろう写真が、まさに「視点採集らしい」写真ですね!
建物の天井が朽ちて落ちているところ、僕も見ましたが、
何が落ちているのかさえ関心もなく通り過ぎてしまっていました。
視点を持つと注意深く観察するので、こういう画にも気がつくんですね。なるほど!
田川はかつて炭鉱で栄えた歴史のある街なので、時間の経過を感じられる場所がたくさんあります。
こういう視点で切り取ることができるのも、田川らしいと言えるでしょう。

8枚目の油須原駅の写真を見て思い出したのですが、
当時(僕が高校生の頃、約35年前!笑)、付き合っていた彼女が赤村の子で
夜、スクーターで会いに行っていました。
夏の夜はその道が蛍の光で埋め尽くされ、その光が何キロも続くんです。今では信じられないような光景でした。
そんな自然が、まだここには残っています。
「源じいの森」という、温泉やキャンプ場などもある自然豊かな保養施設があるので、
ぜひ皆さん、遊びに行ってみてください!

 

【2】M.Iさん 女性(Panasonic LUMIX /digital)

〈M.Iさんの視点〉

視点採集は2回目の参加です。
最近、鉄道関係の看板などの文字がレトロでかっこいいと人気があり、
注目を浴びているとテレビや本で見ていましたので、
今回は文字に注目をしました。テーマは「その場所でしか見られない、文字のある風景」です。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

線路脇にレンガの残る、古い駅舎の風景と、田川伊田の駅名の文字がかっこいいなと思って撮りました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

絵馬の文字と風治八幡宮の風景。絵馬には、いろんな人の筆跡で書れた様々な願いが込められていました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

レトロな商店街に佇むポスト。
「郵便」の文字が消えかけてしまっているところにも時間の経過が感じられて、商店街と一緒に写しました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

田川伊田駅の中にあった自動販売機なのですが、炭坑節がドーンと書いてあり、
まさにこちらの駅ならではだなぁと思って撮りました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

昼食でお世話になったAKB68の文字と一緒に、赤村特産物センターにて。
こちらも、この場所に来ないと見られないものだなと。
*スタッフ注記:AKB68は「赤村のべっぴんさん・平均年齢68才」の略だそうです。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

油須原駅での一枚。
平成筑豊鉄道が行っている枕木オーナー制度で、特に年季が入っている感じのものを、真上から撮りました。
線路に刻まれた「文字のある風景」です。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

油須原駅で見つけた、「イス拭きタオル」の手書き文字。
都会の駅では絶対にこういったものは見られないでしょうから、面白いなと思って撮らせていただきました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

油須原駅の待合室で発見。「誰それ君、かっこいいよね」という書き込みがありました。
これも、ここに来ないと見られないもの、ということで(笑)。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

貸切列車に乗る直前に撮った一枚。
列車全体を写すとテーマの文字が見えなくなってしまうため、ここにクローズアップしました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

平成筑豊鉄道のマスコットキャラクター「ちくまる」がデザインされたつり革にメッセージを書き込んで、
1年間オーナーとなる「ちくまるつり革オーナー」。気になるメッセージのつり革を列車内で撮影しました。

〈M.Iさんの感想〉

視点採取は2回目の参加でしたが、あらためていろいろな視点があるなぁと思いました。
今回は同じ視点で撮影されていた方がいてびっくり!
わたしが見つけられなかったものも切り取っていて、ちょっと悔しいような感心するような…面白かったです。
まちの雰囲気が良かったのと、鉄道の方々も親切で貸切列車での発表は思い出になりました。
ありがとうございました。

〈石川の講評〉

「文字」に注目したIさんの視点。なるほど!これはどこでもできるなーと思いました。
でも、もちろん普通じゃ面白くない。歴史やその土地らしさがないとですね。
Iさんは注意深く、その土地らしい「文字」を見つけていました。
「AKB68」「油須原駅の枕木オーナー」、そして大胆な「壁の落書き」。
写真にキャプションがついているかのようですね。

1枚目の田川伊田駅の写真。高校を卒業して北九州のデザイン会社に勤め出した僕は、
毎朝6時40分くらいの電車で通勤していました。
このホームに朝晩降り立ち、毎日を生きていた当時の僕が見えるようです(笑)。
昔は便数も多くて、車両が何台も連なっており、木造の駅舎も、とても趣がありました。
平成2年に田川伊田駅は改築されましたが、そのままの姿で残されていたら、かなりの観光資源だったでしょうね。
耐久性の問題など、色々あったのでしょうが…。
個人的には、これ以上新しくならないでほしいなと思います。

 

【3】T.Iさん 女性(OLYMPUS OM-D E-M5 Mark II /digital)

〈T.Iさんの視点〉

先日、エフ・ディとALBUSの写真展に参加した時、子どもの頃の夢は画家だったことから、
一見、絵を描いているかのような写真を出品しました。
その流れで、「アートみたい」だと感じるものを探して撮ってみました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

至る所で見かけたので、何だろうと思っていたら、お家の方が出て来られて、
風治八幡宮のお祭り「川渡り神幸祭」に使う飾りだと教えてくださいました。
この場所ならではのもので、素敵だなぁと思って撮りました。モノクロなので、カラフルさが伝わらないのですが…。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

商店街の中で撮った一枚。
ちょっと夢のような、不思議な世界を撮ってみたくて、歪んだ柱に映り込んだ人を撮ってみました。
人が通りかかるまで、相当待ちました(笑)。なかなか人が来てくれなくて。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

商店街で見つけたものです。一体これは何なのか、どんな役割を持つものなのかも分からないのですが、
形が良いなぁと思って撮りました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

これは私の中では「宇宙」です。ただの地面なのですが、パッと見てみると、宇宙に見えてきませんか?(笑)

視点採集「平成筑豊鉄道」編

おじさんが奥から歩いてきていたのですが、その光景が素敵だなと思って、足元だけ撮らせてもらった一枚です。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

シャッターアートです。分かりやすく「アート」だなと思って。
何の言葉も必要ないくらい、しっかりと絵で説明してあって、良いなと思って撮りました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

家の壁などに這っている蔦がすごく好きで、その生命力はすごいなと圧倒されます。
この雰囲気で「只今営業中」と書かれているのが、また好きで。
扉には取っ手も何もなく、どうやって入るのかも分からない、その感じもすごく好きだなと思いました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

駅にあったものです。
何かは分からなかったのですが、なぜこの形にしたんだろうっていうところに、グッと来ました。
真っすぐじゃなくて、1回クルッと回転している感じが、とてもアートだなと。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

植物もやっぱりアートだと思います。その自然な形のままで素敵だなと感じて撮りました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

「山っぽく見える」を狙った一枚。
実は、線路沿いの石垣に生えていた苔なのですが、山並みのように見えるかと思い、横向きにして撮ってみました。
錯覚をおこさせるような写真も面白いなぁと。

〈T.Iさんの感想〉

視点採集は何度か参加していますが、毎回いろんな視点を見せもらえる、気づかせてもらえる貴重な時間です。
また、各々の場所をじっくり味わいながらも、今の自分を見つめ直せる大事な時間となっています。
今回はモニターツアーということで、もっと観光らしい写真の方がいいのだろうなと思いつつ
案の定、いつも通りのわが道でした。ですが、とても楽しめました。
ありがとうございました。

〈石川の講評〉

Iさんもよく参加してくれる、視点採集の常連さん。いつも独特の感性で切り取ってくれます。
今回はモノクロ写真で来ましたか!
テーマが「アート」なので、なるほど!と納得です。
4枚目の写真、まさか地面が「宇宙」に見えるとは…。不思議。まさにアートですね。
最後の線路沿いの石垣に生えていた苔の写真も、
本来タテのものをヨコにして山に見立てるのは上手いと思いました!
モノクロで色を抜いたことも正解ですね!
どれも見入る写真ばかりで、これからもこのシリーズに期待です!

7枚目の写真は、商店街の横にある飲屋街ですね。ここはもうすでに営業はしていないと思いますが(笑)、
当時、この通りは活況がありました。どの建物にもお店がびっしり入っていましたし、
夜になるとネオンが華々しく光り、往来はタクシーだらけで、あちらこちらにきれいなお姉さんが立っていました。

 

【4】M.Kさん 女性(Panasonic Lumix DMC-G2 /digital)

〈M.Kさんの視点〉

初めて視点採集に参加しました。私も「文字」を主に撮りました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

最初は、手書きの「車輌点検場」という文字がかわいいと思って撮影したのですが、後から全体を見直してみると、
横にして置かれた看板とのバランスや、まるで金継ぎをしたような壁のクラックの広がりも含めて、
とても好きな一枚になりました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

亀屋延永という和菓子屋さんで売られている羊かん「黒ダイヤ」の文字を。
入口のところに荷物がいっぱい置いてあって、入りにくそうだなと思いながら撮った写真です。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

公共のものなのか、誰かの車庫なのか?中にはシートや缶が転がっていて、使われている痕跡がありました。
この「駐車禁止」の看板も、公的に設置されたのか私的なものかも分かりませんが、
歴史を感じさせる建造物が良いなぁと思いました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

もう営業していない美容室の扉の文字。
「日本美容室」というネーミングから、たぶん昔、すごく栄えていた時代に、「田川美容室」ではなく、
日本の美容室ですよっていうスケールの大きさを表した店名にしたかったのではないかなと。
今ではなかなか見ないような、昔ながらのフォントもかわいいですよね。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

刃物屋さんでの一枚。「合カギ」の赤い文字と、赤色のカギのマークの看板がかわいいなと。
すごく良い感じの刃物や爪切りなんかも沢山あって、主人がこういう金物が好きなので、
また来ようねと心の中で思いながら撮った写真です。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

これは単純に、この文字が好きでした。ポヨンポヨンとした屋根に「おぉば商店」とシンプルに。
何を売っていたのでしょうね。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

油須原駅のホームにて。
最初は何かの記号かなと思っていたのですが、反対側のホームの「2」という数字を見て初めて、
ああ、これは「1番ホーム」という意味の「1」なんだと分かり、ハッとしたので撮りました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

古いストレッチャーなのですが、手の届かないところに置いてあったので、不思議だなと思って撮りました。
もしかしたら、もう使われることはないのかもしれません。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

「駐車禁止」という文字は普通、看板みたいなものに書かれていると思うのですが、
これは壁に直に書いてありました。
ちょっと歪んだ文字もかわいくて、ずっと見ていられる感じ。結構好きな字なので、消さないでほしいです。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

駅の中にかけてあった、誰が使っても良い掃除用のタオル。
だいたい掃除用具などは隅の方に置いてあるものですが、真ん中に。
この「掃除用タオル」という文字も、壁に直書きなんですよね。勢いが良いなと思いました。

〈M.Kさんの感想〉

視点採集、すごく面白かったです。
田川は慣れ親しんだ地元で、平成筑豊鉄道は学生時代に通学で使っていたので、とても懐かしかったです。
今回のように貸切列車で操車場まで行くのは初めてで、とても貴重な経験ができました。
田川伊田駅周辺と赤村の油須原駅では景色も雰囲気も違い、
最初に決めた視点で最後まで撮影できるのか少し不安がありましたが、最後まで迷わずに撮影できたと思います。
同じ場所の写真でも参加者それぞれの見え方があり、改めて写真の面白さを実感しました。

〈石川の講評〉

Kさんも「文字」に着目。いろんな文字を切り取っています。
とくに意識することなく通り過ぎてしまいがちな壁の直書き。あらためて見ると大胆ですね。
筑豊の人のおおらかな気質があらわれているようです。
9枚目の「駐車禁止 平成筑豊鉄道」の写真はシュールです。窓と相まって、ひとつの作品みたいです。
この日は曇りで影がでなかったので(露出差がなく)、雰囲気のある写真にまとまりましたね。

2枚目の写真の「黒ダイヤ」。田川の銘菓です!今思うと、すごく良いネーミングですね!
真っ黒い羊羹なんですが、美味しいんですよ!…と言っても、子供の頃は一度も食べていません。
大人になって、あるとき食べたら「これはうまい!」と。この黒ダイヤ、ブランディングしてみたいです。

 

【5】H.Kさん 男性(SIGMA DP2 Merrill /digital)

〈H.Kさんの視点〉

平成筑豊鉄道の最終駅がある、直方の出身です。
筑豊といえば炭鉱を思い浮かべるかと思いますが、実は近代でいうと、鉄の方が代表産業。
こちらの方もほぼ廃れて、私の父親も鉄工所を営んでいるのですが、今年でもう引退です。
そういったこともあり、鉄にまつわるもの、さらに大きなテーマとして「枯れる」ということに注目しました。
僕の仕事のIT業界では、「枯れる」というのはちょっと良い言葉で、
「こなれる」とか「安定している」といった意味で使われます。
そういった視点で、人工物と自然物の「枯れる様相」を撮りました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

商店街のアーケードの入口のところに、神村鉄工株式会社という文字と昭和49年と刻まれたプレートが。
古そうなんですが、比較的新しい。ちょうど時代のランドマークといえるのかなと。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

こういう謎の機械にすごく惹きつけられまして(笑)。
おそらく発電機と配管で、エネルギーを上に運んで、何かをしようとしていたんだなと予想しました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

これは今見ると、とても贅沢だなと思うのですが、かなり分厚い鉄の扉なんですね。
これだけ強固に守る必要があるのかなっていう…(笑)。ここに何があったのでしょうね。
良い感じに枯れていて、本当は赤錆なのですが、白黒でしっとりと撮ろうと思いました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

この釘の名前をご存知ですか?「犬釘」と言って、横にすると犬のような形をしています。
外側は風化していきますが、磨いたら綺麗な金属が残っていて、昔は質の良い金属が使われていたようです。
ただ、ある時代のものは、中まで錆びてボロボロになるものもあり、
近代の方が質の低い金属が使われていたりしたそうです。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

よその地方の人から「石炭やボタが普通に転がっていてすごいよね」って言われるのですが、
僕らからすると、地面を掘ったら絶対に出てくるもの、という感覚で…。
この石炭の欠片も、ちゃんと深く考えれば「化石」なんですよね。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

鉄工所の壁を写したものです。
レンガの方が先に風化し、目地に埋めたコンクリートの方が頑丈に残っていました。
モノを作る人って、完成のイメージは想像できますが、
それがどう風化していくかという部分に関しては、予測不可能ではないかなと。
誰も、壊れ方や、そのモノの終わりについては想像しないので。
だからこそ敢えて、その過程に意識を向けてみようかなと思いました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

こちらの壁の上の方は、反対に目地が先に風化しています。
ということは、上と下で違うレンガが使われていたのではないかと。
おそらく、元々あった塀に、別のレンガを積み上げていったのではないでしょうか。
まるで地層のようです。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

南方のバナナ系の植物なんですが、じっと見ていたら人がペアで踊っているように見えてきました。
元々が南国の植物なので、寒い時期は当然枯れるんですよね。
この間、台湾に行った時に同じような植物を見たのですが、冬も生き生きとしていました。
きっと、この植物自身は、このように寒い季節を意図していなかっただろうなと。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

先程も出てきた「犬釘」の、耳が付いていないバージョンです。
結構年数が経っていますが、しっかり身が詰まっていて、これは良い犬釘(笑)。
たぶん削っても錆が入り込んでいない位、しっかり鍛錬された釘でしょう。
石(ボタ)と、植物の枯れと、鉄の風化具合とを一緒に撮れたらどうかなと、ずっと場所を探していて、
ちょうど良いバランスのモチーフがあったので撮ってみました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

紫陽花は土の酸性・アルカリ性によって花の色が変わり、
一般的に酸性なら青色、アルカリ性なら赤色になると言われています。
鉄分を含んでいると酸性になりますが、赤村は綺麗な土地なので、あまり鉄は入っていないのではないか、
だとすると花の色は…と、枯れの様相の中から、逆に色をロールバックしてイメージしたいなと思い、
あえて枯れた紫陽花を撮りました。

〈H.Kさんの感想〉

電車の中でプレゼンという貴重な体験企画で、とっても楽しかったです。
馴染みのある筑豊地区で色々ゆかりがある場所でしたので、
なるべく新鮮な第三者視点を意識して撮ろうと思いました。
F_dのみなさん、ランドブレインのみなさん、平成筑豊鉄道のみなさん、どうもありがとうございました。

〈石川の講評〉

Kさんの視点は「鉄、枯れる」です。
「枯れる」を良い意味で「安定している状態」という解釈で切り取った写真。
そこにあっても違和感のない状態のもの、という捉え方もできるかもしれません。
古い町には当然古いものがあり、それが壁だったり家だったり何かしらの建造物があります。
もう役目を終えてる機械などもあります。
毎年どこか壊され整理されていく中で、個人所有のものは割と残っていたりします。
そういう“残ったもの”はその町の“味”(観光資源)として重要な要素なんですね。
Kさんの視点はそういった、言葉でなかなか表現しにくい「町の味」を見える化してくれました。

5枚目の写真の「石炭」。田川ではあちこちにありましたね。
僕は炭鉱住宅に住んでいて、採掘場(すでに廃坑)が近くにありましたので
母と一緒にボタ(石炭のくず)を拾いに行ってました。
ボタ山で、手も服も顔も真っ黒になりながら遊んでいました。見慣れた黒い石です。

 

【6】A.Gさん 男性(SONY α7II /digital)

〈A.Gさんの視点〉

田川での視点採集が決まった時に、事前に地図を見ていて、
山に囲まれたところだと思ったのが第一印象でした。
「囲まれている」の「囲い」には、「中のものを守る」という意味があります。
当日訪れて、山が街を守っている場所だと感じましたので、
視点を「囲い」にして、山や木・壁が囲っている写真を撮りました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

採集をスタートして、一番に訪れた風治八幡宮。人に対して鳥居が囲っているイメージで撮りました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

線路の柵に囲われているように煙突を撮影。
高いところにそびえ立つ2本の煙突は、街を見下ろし、見守っているかのようでした。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

商店街の壁が囲っているイメージで撮りました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

街を囲っている山を中心に撮影。山の上の雲が、ちょうど煙突から煙が出ているかのように見えました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

昔、炭鉱住宅があった場所での一枚。建物がいくつも重なり、囲っているようです。山も入れて撮りました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

トンネルから外を撮りました。全部で4~5か所トンネルを回るほど、田川にはトンネルが多かったです。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

商店街から入った路地を撮りました。こういった細い路地もいくつもありました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

いくつもの重なり合う山々が、街を囲ってるイメージで撮影。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

油須原駅で撮りました。無人駅ということで誰もいないところを撮りました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

神社の上から撮影。(後で調べたら秋葉神社というところでした。)
普段、階段がある神社は見上げて入っていくのですが、ふと後ろを振り向くと、
木が囲っていて雰囲気が良かったので撮りました。

〈A.Gさんの感想〉

今回は初めての視点採集ツアーの参加でした。
視点を決めるのに、かなり悩みました。
他の参加者の発表では、自身にはない視点ばかりで、
同じ視点・テーマでも捉え方が全く違う写真になり、驚きました。
今まで感覚のみで撮っていたところがありましたが、何を撮るかを改めて意識的に考えるようになりました。
また次は違った場所・視点でチャレンジしてみたいと思います。
今回はありがとうございました。

〈石川の講評〉

初めての参加ということで、事前にテーマを3つくらい用意して臨んだという今回の視点採集。
撮影開始20分で2つのテーマを断念したそうで…。最後に残ったテーマ「囲い」の写真はいかに。
山に囲まれているという田川は、そう盆地なんですね。
僕は22歳まで田川で育ちましたので、この盆地がもたらす「夏暑くて冬寒い」という気候が嫌でした(笑)。
Gさんの視点を借りて言うならば「過保護すぎて暑苦しい」というやつでしょうか(笑)。
暑苦しい田川というイメージで、僕はGさんの発表を聞いていました。
まず、写真がいいですね。少し重めの、僕の好きなトーンです。
「線路の柵に囲われた煙突」の写真は、柵のシャドウが左右を締めていて竪坑にぐっと目がいきますね!
ローアングルの視点もいいです。写真うまいですね!さすがデザイナーさんです。
すべての写真に絶妙なトーンとトンネル効果的なインパクトのある構図で、作品性もある写真でした。

5枚の団地の写真ですが、僕が子供の頃はここは炭鉱住宅でした。
階段状の土地に何列も炭住が連なっていて、
夕方になると玄関前で魚を練炭で焼く煙がところどころに上っていました。

 

【7】M.Sさん 女性(PENTAX K-5IIs /digital)

〈M.Sさんの視点〉

私は「色」をテーマにしました。
初めて訪れた平成筑豊鉄道の沿線という場所で、初めて見てワクワクしたものを中心に撮ってみようと思いました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

商店街で撮ったのですが、ここに射している光がすごく綺麗でした。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

これも商店街の中での一枚です。色を撮るにあたり、ホワイトバランスをすごく気にしました。
できるかぎり柔らかい色味にすれば、いろんな色が目立つかなと思って。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

商店街にあるお店で。金魚やメダカなど、いろんな色の小さな魚が並べられていて、
ワクワクする一場面だなと思いました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

白い服を着た方が通り抜けていくところを撮影。あまり色の種類はないのですが、面白みを感じて。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

風治八幡宮で撮影。色に注目し、白・黒・赤で構成された引き締まった一場面だなと思って撮りました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

神社のおみくじなのですが、ピンクと白が綺麗だったので。なかなかピンクは集まらない色なので。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

「色の採集」という意味では、金色もなかなか撮れない色ですが、神社で撮影することができました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

油須原駅にて。青と赤が一緒にあるので、その色に注目して撮りました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

時期的なものもあり、緑色もなかなか無かったのですが、ここで撮ることができました。
駅や電車と比較して撮れば、緑がより強く見えるかなと思い、引いて撮ってみました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

商店街にいた時に電車の音がしてきて、何色が飛び込んでくるかなと思っていたところに通ったのが、
この白地に赤のラインがある電車でした。

〈M.Sさんの感想〉

初めて訪ねる場所で土地の雰囲気もわからないまま、テーマを「色」にしようと考えていました。
田川伊田駅周辺では多くの色に出会えそうだと考え、商店街を中心に散策しました。
早朝だからか、多くのお店が閉められ静かでしたが、
その分、アーケードは落ち着いていて明かりが目立ち、不思議とワクワクしました。
視点採集は時々小雨が降った空の下、アーケードの中や室内で行うので
全体的に同じようなトーンしようとホワイトバランスを工夫しました。
表現するための写真を集めることや、いつもより客観的に景色と向かい合うやり方に刺激を受けました。
発表会で皆さんの視点を聞き、筑豊鉄道沿線に面白さが湧き上がってきました。
次はこの場所を違った視点で写真を撮ってみたいと思いました。
ありがとうございました。

〈石川の講評〉

「色」にこだわったSさんの視点。
一枚一枚、いろんな色が柔らかなトーンで撮られていて、
色彩に対する、細やかで繊細な眼差しを感じられます。
今回、初めて訪れた場所で、撮影時間もそんなに長くなかったので難しかったと思いますが、
この柔らかいトーンで撮られた他の場所の写真も、もっとたくさん見てみたいなと感じました。
最後の写真の、商店街の先にある踏切を通る電車を切り取った写真。
ほんの一瞬をよく捉えましたねー!一両編成なので、まさにあっという間!
「何色が飛び出してくるのか!?」と息を飲んで待ち構えているSさんの姿が目に浮かぶようです。

1~4枚目の伊田商店街の写真。もうかなり閉まっています。
当時、土曜日は「伊田夜市」というのがあって、
夕方から夜10時くらいまで店が営業していて、通路にも出店があり、とても賑やかでした。
夜市になると、堂々と夜でも出歩いて回れるので好きでした!一大イベントでした!
どうでもいいことですが、商店街のお店って、隣同士が不思議にかぶらないんですよね。
ほどよくジャンルが分かれていて、子供心にうまいことなってるなーと思っていました。

 

【8】H.Mさん 男性(Nikon D700 /digital)

〈H.Mさんの視点〉

僕がここで「スタンプラリーをやるなら、どこをスポットにするか?」と考えて撮りました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

ここのドアがまぁまぁの段差で、もし僕が住人だったら、週に1回はコケるんじゃないかと思うくらい、
なかなかのストロングスタイルな家だなと思って、スポットの一つに選びました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

商店街の近くの、廃墟感が漂うビルの店舗リスト。
たぶんもう全て営業していないと思いますが、これもなかなか…(笑)。
映画『007』のロゴマークを丸コピしたものや、「ん」(ここはちょっと行ってみたかったかも)など、
この場所に辿り着いて、これを見つけた人はきっとニッコリすると思います。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

刃物屋さんの十徳ナイフがかなりデカいので、これはスポットになるなと。かっこいいですね。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

これは工事現場なのですが、僕が今まで見た中で一番ポップな工事現場だったので、
田川の名物になるんじゃないかと…(笑)。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

この先に鉄橋がある、川沿いのところです。
普通に線路まで歩いて上がれて、すぐそこを電車がびゅーっと通っていて、
オススメして良いのか分からないのですが(笑)、これもまた田川の良さじゃないかと。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

石炭記念公園から撮った、田川の街並みです。
この右端のビルの上にあるモスバーガーのロゴマークの主張が強いなと、ずっと思っていました。
この位置になかなか無いなと。まちを歩いていても、どこからでも見えました。
実はこの風景のなかに、モスバーガーのロゴマークと似た形があるのですが、分かりますか?
僕はこれを見て「モスバーガーのロゴが2つある!」と思って。これもかなりの絶景スポットなんじゃないかなと。
(答えは左端にある香春岳の二ノ岳と三ノ岳)

視点採集「平成筑豊鉄道」編

田川伊田駅の構内なのですが、なぜここに扉を付けたんだろうなと。
頑丈にしたい割りには、結構ガバガバなセキュリティと言いますか…。
これはこれで、綺麗でかっこいいのですが、ちょっと不思議だなと思って。
ぜひ駅に降り立って見てほしいスポットにしたいなと思って撮りました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

もしもスタンプラリーをやるなら、ぜひ赤村特産物センターにも行ってもらって、
AKB68のおばちゃんたちがつくるカレーを食べてもらいたいなと。
あと、Bが「べっぴんさん」っていうのが良いですよね。(「ばばあ」じゃないよって言ってました。)
素晴らしいと思います。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

油須原駅の近くに天狗がいたので撮りました。見つけてください。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

僕は毎回、視点採集の時にゴミ関係を撮っているようですが(笑)、
電車内にちゃんと「空き缶入れ」が設置されているんですよね。
僕はゴミ箱をつけてくれる人、大好きです。
テロ対策などもあり、なかなか普段は電車にゴミ箱って見かけないのですが、
ここにはついていて、おおらかさというか、良さかなと思って。素敵だなと。
燃えるゴミの方も宜しくお願いします。

〈H.Mさんの感想〉

今回初めての田川でしたが、独特の空気が漂う場所でとても楽しかったです。
天気は良くありませんでしたが、結果的に町の雰囲気にあっていたのではないかと思います。
平成筑豊鉄道を貸し切っての発表だったり、貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました!
視点採集もとても楽しかったです!発表会が毎回待ち遠しいです。
ぜひまた参加したいと思います。

〈石川の講評〉

スタンプラリーという「視点」。考えもつかない視点です。
Mさんは視点採集の常連さん。さすがですね!斜め上を行きましたね。
何気ないスナップのような写真ですけど、上手いです!肩の力が抜けてて、こなれています!
さらりと水平も出していて、スパッと切り取ってますね。
視点採集ならではの「ゴミ箱」の写真(笑)。普通は撮りませんね。でもちゃんと意味があっていいです。
油須原駅での散策は、僕と一緒にブラブラしました。
二人で早い者勝ちのように獲物(被写体)を探しながら歩いたのが楽しかったです。
普段から自分のお子さんたちを撮っているMさんの視点は、いつもナチュラルです。
“面白い”というものを切り取る目がすごい!今回も期待通りの写真でした。
田川伊田駅の階段の扉は、僕も笑えました!よく見たらおかしいね。

6枚目の写真の「香春岳」。一ノ岳はずいぶん低くなりました。もうほぼ平坦な感じです。
後ろの二ノ岳、三ノ岳が半分近く見えます。
当時はまだほんの少し見えるくらいでした。かなり削られてしまいましたね。
僕らは自然を消費しながら生きているんだなぁと思います。炭鉱もそうですね。
これからは自然と共存しながら生きて行く方法を見つけないとですね。

 

【9】A.Tさん 女性(PENTAX Q7 /digital)

〈A.Tさんの視点〉

初めて視点採集に参加しました。
テーマは「跡地」です。何かストーリーが感じられるものやエピソードがありそうなものを撮っていきました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

一緒に参加したK.Iくんが生まれた八木産婦人科の前で写真を撮りました。
もうすでに閉院となっていましたが、K.Iくん誕生の跡地です。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

駅前の信号機に取り付けられた、二輪車用押ボタン。
きっとこれは、原付の人が困った「跡地」だろうと思って。
原付は停止線で停まっても信号に反応してもらえず、なかなか信号が変わらないことがあるので、
これがあったら便利だなと思いました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

猫がご飯を食べた「跡地」。
今回、猫には1匹も会えなくて残念だったのですが、猫がいるんだなと感じさせる場面に出会えました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

田川にも人がたくさん住んでいることがわかる「跡地」です。
駅前にいた時間が朝早かったからか、あまり人に会えなかったのですが、
駅の横の高架のところに多くの自転車が停められていて、
「あ、めっちゃ人住んでるんじゃん」という発見があったので撮りました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

大きな山があった「跡地」。削られてしまった香春岳の一ノ岳を撮った一枚です。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

これは青空の「跡地」。今日、本当は晴れてくれたら良かったなぁ…と。
背景が青空だったら、この赤い竪坑櫓も映えて、コントラストがあって、
もっと綺麗だったんじゃないかという気持ちで撮りました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

炭坑の跡地…って、そのままなのですが(笑)。
炭坑でいろんな人が働いていたであろう場所が記念公園になっていました。
今日はイベントが開催されていて子ども達がたくさんいて、遊んでいる姿が良かったので、一緒に入れて撮りました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

喫煙者の優しさの「跡地」。
駅の近くに喫煙スペースがあったのですが、たくさんライターが置いてあって、
他の人が使えるようにと残されていったものかなと。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

油須原駅で、何かが栗を食べた「跡地」です。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

誰かがみかんを食べた「跡地」。
ここに「みかん とるな」という看板がかけてあって、みかんが木になっていたけれど、
たぶん、みかんを採って食べる誰かがいたんだろうなと思って、面白いなと思って撮りました。

〈A.Tさんの感想〉

今回は初めてテーマに沿って写真を撮るという経験をして、
初めは何をテーマにしたらいいのか、、ととても悩んだのですが、
町中で目にとまったものを採集していくうちに、
人や生き物や風景の跡を感じたので、テーマは『跡地』に落ち着きました。
皆さんの発表を聞いて、町や様々な物への知識があると深く風景を捉える事が出来るのだなと感じ、
そんな視点があったのか!と発見が沢山ありました。
同じ町を歩いていたのに、それぞれ見ている風景が違っていて、とても面白かったです!
今回はテーマを何にするかに頭を悩ませましたが、
それをどの様に撮ったらより伝えられるのか、という事まで考えて写真を撮れる様になりたいです。
今年は沢山写真を撮りたいです!ありがとうございました!

〈石川の講評〉

Tさんの視点は「跡地」。何かの痕跡や気配を写したような写真ですね。
この10枚の写真から、なぜか「安心感のようなあたたかみ」を感じます。なぜでしょう?
今までそこに人がいた気配が感じられるからでしょうか。(猫や山もありますが)
「無」ではなく、何かとの繋がりがそこに存在している気がして、
それが「安心感=あたたかさ」を醸し出しているのではないかと思います。
いつか見たコラム記事に、誰もいないようなところで人に会うと、
思わず「おーい」と手を振ってしまうと書いてありました。
人は誰でも、ひとりではさびしい。誰かと繋がりあっていたいのだと。
確かにそういう気持ちでこれらの写真を見ると、窓際のライターにも、人の気持ちを感じます。

1枚目の写真は僕の息子です(笑)。
今はもう廃院している「八木産婦人科」の前で、27年前そこで生まれた息子の写真。
なんとも感慨深い写真です。僕にとって、時の経過をこれほど感じさせる写真はありません。
写真のすごさをあらためて感じる1枚でした。Tさん、ありがとう。

 

【10】K.Iさん 男性(Canon EOS 5D Mark IV /digital)

〈K.Iさんの視点〉

初めて視点採集に参加させていただきました。
僕は田川伊田駅のすぐ近くの八木産婦人科で生まれましたが、3才で福岡の方に引っ越してきたので、
田川にいた頃の記憶はほとんど残っていません。
正月と盆と、神幸祭という大きなお祭りの時にしか帰省したことがなく、写真を撮り始めたのも最近なので、
ちゃんと視点をもって自分の生まれた場所を歩くのは初めてのことでした。
そこで今回は、「子どもの僕と一緒にいる母親の目線」で撮ってみました。
赤ちゃんだった頃の小さな僕を抱いて、あやしながらこのまちを歩いていた母親の目には
こんな風に映っていたのかなと想像しながら、まとめました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

風治八幡宮の手水舎です。
かっこいい龍から水がポタポタと落ちている様子に目を奪われて、
僕がぐずった時にこれを見せれば、黙るんじゃないかなと。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

怪獣のようにも、ウルトラマンのようにも、ロボットにも見える竪坑櫓。
大きい建物って子どもは好きだと思うので、母親が「ほら、あれ見て」と言っているシーンを想像して、
下から見上げて撮りました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

男の子は電車や車などの動くものが好きなので、
子どもを抱いて「ほらほら、電車だよ」って見せたら、きっと泣き止むんじゃないかなと思って。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

田川伊田駅の商店街の中にある、おもちゃ屋さん。ここにも昔、通ったんじゃないかなと思います。
連れてきてもらえたら、喜んだでしょうね。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

ペットショップ屋さんと言っていいのか…?金魚とメダカしかいなかったんですけど。
表にいっぱい陳列してあって、ヒラヒラと動く金魚に目が行くので、
商店街を歩いている時に、一緒に眺めたりしたんじゃないかなと。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

ギターのようにかっこいいものが好きだった3才の頃の僕に、
「あれ見てごらん」って言っている様子をイメージして撮りました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

生まれた病院です。
母親が退院する時、生まれたばかりの僕を抱っこして、病院を出てすぐに見た光景がこれなのではないかなと。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

のぼりに描かれている、源じいの森のゆるキャラ「源じいさん」。
かわいくて、ちょっとジャムおじさんにも似ています。
小さい頃の僕にこれを見せたら、きゃっきゃと楽しむんじゃないでしょうか。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

田川伊田駅からちょっと歩くと陸橋が。階段を上がるとすぐに線路がある、ロケーションの良いところです。
ここはたぶん危ないので母親は入っていないかなと思うのですが、
おそらく父親が抱っこしていたら、連れていかれただろうなと思って撮りました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

僕は今年で28歳になるのですが、田川に年3回は帰ってきているものの、
平成筑豊鉄道に乗ったのは今回が生まれて初めてでした。
もしもずっと田川に住んでいて、母親と一緒に乗っていたとしたら、
子どもの僕はこの位の高さの目線で、こういう景色を見ていたのではないかなと想像して撮りました。

〈K.Iさんの感想〉

今回の視点採集で、自分の生まれた街をファインダーを通して
今までとは違う視点で見られて良かったです。
これからの写真生活でも生きる貴重な体験になりました。

〈石川の講評〉

K.Iは僕の息子なんですが、母親の視点というのはびっくりでした。
実際にどういう感じだったのかを書き出すと長くなるので(笑)やめておきますが、
母親がかつて、どのような気持ちでここに住んでいたのだろうと思いを馳せるのは楽しいことかもしれません。
当時とまったく同じ景色はありませんが、自分を抱いた母親が歩いていた道に、今、自分が立っていると
時間が巻き戻っていくような気持ちになったんじゃないかと思います。
彼に3歳までの記憶はあまりないと思うけど、いつでも子どもの頃に戻れる場所が故郷ですね。

4枚目の写真、「玩具のフジタ」。まだ営業してるかな?
この店は確かに行った!子供の頃から一番行った店じゃないかな。
商店街の中に、ここともう一軒おもちゃ屋さんがあって、この店はプラモデルと空気銃が多かったんですよ。
父ちゃんは相当買ったぞー。5枚目の金魚屋さんには、クワガタを“売り”に行ってました(笑)。

 

【11】Y.Fさん 女性(Nikon FM2 /film)

〈Y.Fさんの視点〉

最近、路地裏が気になっているので、歩いて気になった路地や通りに注目して撮りました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

この通りの看板的な「写真のしげとう」の文字。どんな通りなのだろう?とワクワクしました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

日曜で閉まっているお店がほとんどでしたが、天井からは看板がぎっしり。平日に訪れてみたいと思いました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

洋風なつくりのお店がかわいい路地。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

炭坑が栄えていた頃にタイムスリップしたかのような路地を見つけました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

五円坂の看板が気になって。地元の人が集まるお店なのかな?

視点採集「平成筑豊鉄道」編

へいちくが走る線路、人々が行き交う商店街、車が通る車道。いろんな道が交差する場所。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

カラフルなお店の屋根が続く通り。全部色が違ってすごい!

視点採集「平成筑豊鉄道」編

何ヵ所かあって、気になったY字路。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

線路もY字。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

油須原駅近くの歴史がありそうな神社。かなり長い階段で上の様子は伺えませんでした。きっと良い眺めでしょう。

〈Y.Fさんの感想〉

視点採集は2回目でしたが、やはりとても難しかったです。
みなさんの発表を聞いて、感心するばかりでした。
でも、街の中をゆっくり歩きながら写真を撮ると、色々な発見があり楽しかったです。
また、電車の中での発表など貴重な体験もでき、参加してよかったです。
ありがとうございました。

〈石川の講評〉

首から2台のカメラをさげていたFさん。
2丁持ちで切り取った田川の写真は「路地裏」です。
商店街は他の人も撮っていましたが、人それぞれ、視点も違えばトーンも変わって面白いですね。
Fさんのトーンは柔らかく女性らしくて、また今回はフィルムだったので、なおさら優しい雰囲気になっています。
確かに田川伊田駅周辺はノスタルジックな小道が多くて、タイムスリップ感がありますね。
視点採集には「猫の写真は1枚だけ」という“猫ルール”がありますが、
この小道にやたらと猫が出現するんですよね(笑)。
見知らぬ土地を訪ねたら、行きたくなるのが「路地」。Fさんの視点は素直な視点だなと思いました。
その視点のように写真もまっすぐで、自分の目でそこに立って見ているような気持ちになります。
ちょっと専門的なことを挟むと、50mmの画角だからというのもありますね。
(50mmレンズは、人が実際に見たままの感じに近いのです。)

8枚目の「何ヵ所かあって、気になったY字路」に写っているのは中島金物店といって
当時そこは、町一番の金物屋さんでした。
シャッターの降りているところはもちろん、右の白い壁の部分も開いていて
家庭用品や金物(大きなアルマイトの鍋やブリキのたらいなど)が、店からはみ出すくらいに陳列されていました。

 

【12】Y.Sさん 女性(PENTAX K-5IIs /digital)

〈Y.Sさんの視点〉

「夢の中で」という視点で撮影しました。

視点採集へ参加し、目的地に到着するまでは
平成筑豊鉄道の周辺が地元だったら、、、という視点で撮影するつもりでしたが、
到着して感じたのは「地元感」ではなく、「違和感」でした。
それは、当然です。初めて足を踏み入れた場所だったからです。

初めて訪れた場所を地元として捉えようとして感じた「違和感」は、
まるで夢の中にいるような感覚だったので、素直にその気持ちで撮影しました。

いつもは明るく写真を撮ることが多いのですが、
夢をみているような、幻覚に近い雰囲気を出すため暗く撮影しました。
私にとっても初めての視点で楽しかったです。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

伊田商店街の薄暗い中に浮かぶ看板が、幻想的でした。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

さあ、奧へおいでと呼ばれているようでした。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

ガスのメーターも、秘密基地の何かのメーターに見えました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

視点採集「平成筑豊鉄道」編

遠くに見える人影を追いかけても、追い付かない。
幻だったのでしょうか。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

風治八幡宮の凛とした空気も不思議に見えました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

夢の中では、地域のゆるキャラも可愛い顔した恐ろしいやつに見えてきます。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

少しくたびれた空気が、むかーし昔の記憶のようでもありました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

さまよった夢の中、初めて人に会いました。
(という設定の一枚)

視点採集「平成筑豊鉄道」編

そして、私は電車に乗って現実に戻るのです。

〈Y.Sさんの感想〉

今回、平成筑豊鉄道周辺巡り。
だれかにとっては当たり前すぎる日常だけれど、私にとってはものすごく非日常な空間に触れた1日でした。
ちょっと寂れた佇まいの商店街や道。
「だれかの実家感」をいたるところに感じられました。
私の記憶の中にはないはずなのに、なぜか懐かしい。
不思議な感覚でした。
地元(小倉)のちょっと寂れた薄暗いところが似ていたのかもしれません。
帰りは、みなさんと別で平成筑豊鉄道に乗車して飯塚に向かい、JRに乗り換えてというルートで帰宅したのですが、
電車内の乗客のおばあちゃん同士の会話や、車窓からの眺めが、なんだか居心地が良くて、
「昔からある心落ち着くもの」に触れたような気持ちになりました。
最後に、赤村特産物センターのおばあちゃんの雰囲気が特に好きでした。

胃腸炎を患っており、朦朧としていたからでしょうか。笑
この撮影の時間は、新しい視点で撮影できたと思います。
ありがとうございました。

〈石川の講評〉

「夢の中で」という田川出身の井上陽水の歌のような視点です。
視点を聞くまでは、露出を失敗したのかなと思っていました。意図的に暗く撮ったんですね。
写真だけを見ると、神隠しにあいそうな、なんともおどろおどろしい感じです。
その流れでマスコットキャラクターの写真が出てきた時はもう別の国に行ったようです。
どうしてこんなことになってしまったのか…。
わかった!この写真たちは絵本ですね。
不思議の国のアリスのような視点といいましょうか、そういう風に見てみると
どこでも物語ができそうな気がします。
いつもと違う描写で見知らぬところで絵本を描くかのように写真を撮る。
面白いかもしれません。知らない土地であればなおさら楽しめる撮り方かもしれません。
僕もお腹が痛くなったら知らない土地に行ってやってみたいと思います。

4枚目の写真は田川伊田駅の連絡通路。
30年前の記憶でストップしている僕にとっては比較的新しいものです。
反対側の石炭記念公園に出ることができます。
通路の半分くらい自転車が占めています。暗めに撮っているので、かなりヤバそうな通りに見えますね(笑)。

 

【13】ランドブレイン 堀口さん 男性(Nikon D5500 /digital)

〈堀口さんの視点〉

事務局なのに、まさか発表することになるとは思わず、ちょっとドキドキしながらも楽しく撮りました。
テーマについてですが、自分はまちづくりやまちおこしの仕事をしているので、
今後、この田川エリアを売っていく時のヒントになるような言葉を探しました。
そしてもう一つ、「炭鉱」や「レトロ」という言葉を使わずに、
炭鉱で栄えた当時の優雅さみたいなものを表現できる、風景を切り取りたいと臨みました。
テーマは「粋」です。
言葉の正しい意味は「江戸時代に庶民の美意識から生まれたもの」になるのですが、
それが実は田川の中にいっぱいあると感じ、田川の繁栄の余韻を「粋」というテーマでまとめてみました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

風治八幡宮の「八」が鳥になっているディテール、当時これを作った人の粋さが込められているなと。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

職人さんの、手間暇と遊び心が感じられました。
また、暮らしを楽しむ人たちの、心の豊かさを表しているのかなと思います。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

家の入口の上のところに、欄間のような細工が施してありました。
こちらも住んでいる人のこだわりや満足感が垣間見えていいなと感じました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

中島鮮魚部の看板。なぜ「鮮魚店」ではなく「部」なのかもすごく気になったんですけど(笑)。
文字の立体感や構造、素材など、手間がかかるはずなのに、手間をかける何かがあったんだろうと思います。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

田川のガード下を越えたところにあった、解体中の建物です。
地図で調べたら、元々は呉服店だったようで、おそらく浴室に作られていた、タイルで描かれた絵です。
家のお風呂に、こういう絵を描くのは、「粋な生活」そのものじゃないかなと思いました。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

「粋な名前」を見つけました。
書体も粋だし、こんな苗字だったら、おしゃれな生活ができそうだと思いながら撮った一枚です。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

ちょっと廃れたレトロな喫茶店にも関わらず、生の花のリースがかけてある、
こういった「おしゃれさ」ってなかなかだなぁと。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

絵馬なのですが、「家族の太っている私たちを痩せさせるお手伝いをしてください。」という
すごいお願いを神様にしているなぁというものがあって(笑)。
「粋」というのは裏返すと、ユーモアとか、毎日の楽しみやちょっとした笑いをどう見つけるか、
みたいなことなのかも…と思いました。
ひょっとして田川で育つと、こういう感性が育つのかな〜なんて思った一枚です。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

ところ変わればですが、アメリカの某有名監督をもじった、バーガー屋さんを見つけました。
時代は違うけど、粋な田川で育った方がはじめた、お店だろうと勝手に思っています(笑)。

視点採集「平成筑豊鉄道」編

最後に、赤村特産物センターで、お餅をくださった中原先生が書いてくれていたメモです。
「甘〜いお菓子です!おいしいで〜す!」という、この「〜」と伸ばした部分に、
優しさとか、思いやりとか、愛とかが込められているなぁと。
こういう、ちょっと遊びの部分っていうのは、やっぱり田川の良いところですね。

〈堀口さんの感想〉

やっぱり田川が好きです!随所に“らしさ”があって、それを見つけるのが楽しかった。
ただ、まちあるきを始める前に設定していたテーマは、すぐに無理だと感じ軌道修正。
後半まで悩みながら撮ることになりました。
切り取る風景はもちろん、写真の順序やストーリーを考えてみると、もっと楽しめそうです。
あと、そもそもですが、写真の腕が問題なので、がんばります!

〈石川の講評〉

飛び入り参加のランドブレインの堀口さん。今回の企画を調整してくれた仕掛人の一人です。
堀口さんは今まで、いくつもの町おこしに関わってきた方。
その視点は、かつて栄えた町の「粋」を撮るというもの。これはいいですね!
同じく炭鉱で栄えた大牟田市もそうですが、町の至る所に、当時の栄華を感じさせる名残があります。
ちょっとしたところにも趣向を凝らした造り(遊び心)があって、まさに「粋」ですよね。
風治八幡宮の神額、少し隙間を空けたレンガの壁。
呉服屋さんのお風呂場のタイル。(僕が子どもの頃、確かにここは大きな呉服屋さんでした。)
解釈を変えて撮った「粋」も田川らしく、シャレが効いています!
さすがの10枚でした!
楽しんで撮っていただけたようで良かったです。視点採集、面白いでしょ?(笑)

4枚目の写真の「中島鮮魚部」。この看板も当時からかな。詳しくは覚えていないけど、この色は記憶にあります。
今見ると、良いタイポグラフィですね。
ここの一角も当時は活況があり、この魚屋さんにもズラリと魚が並んでました。
僕はよくここに、クジラの刺身を買いに行かされていました。200gくらいで1000円もしませんでした。

 

視点採集「平成筑豊鉄道」編

〈石川・総括〉

今日はあいにくの雨模様でしたが、逆に、写真を撮るにはちょうど良い柔らかな光でした。
ご参加くださった皆さま、おつかれさまでした。ありがとうございました。
また、このような機会をくださいました、ランドブレインの堀口さん、喜多さん、
平成筑豊鉄道の河合社長、本当にありがとうございました。
列車の中で発表をするという貴重な体験ができ、楽しい時間を過ごさせていただきました。
お昼に赤村特産物センターで食べたお弁当も美味しかったです。
(食べ放題のカレーも特別にいただきまして、ありがとうございました!)
たくさんの方からご協力をいただいたおかげで、無事に開催することができましたこと、
心より感謝申し上げます。

参加者の皆さんの写真もちゃんと考えられた視点で、それぞれに個性ある10枚でした。
同じ場所でも、視点が異なると切り取る景色が違ってくる、
そして、同じ景色を撮っていたとしても、その持つ意味が違うという、
“視点採集ならでは”の写真になっていました。
僕らがやっているこの「視点採集」は、手前味噌ながら、よくできたワークショップだなと思いました(笑)。
どんな街にも魅力があり、それは普段、気がつかないものだったりします。
よく観察しないと見えてこないものや、見方を変えることよって価値を帯びてくるもの。
それが、この視点採集では浮かび上がってくるのです。
毎回、どういう視点で切り取られた写真が出てくるのかと、僕自身も楽しみで仕方ありません。
特別で大げさなことじゃなくても、魅力的なものはたくさんあります。
それを見つけることが大切ですね。
丁寧に探してみれば、きっと見つかるはず。
これからもこの視点採集を、いろんな街でいろんな人とやっていければ良いなと思います。

Posted by:f-d